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 音楽配信大手スポティファイは13日、米アップルが優位な地位を使って競争を阻害しているとして欧州連合(EU)の欧州委員会に是正を訴えたと発表した。これに対し、アップルが反論の声明を発表。大手IT企業同士が正面から対立する異例の事態になっている。

 スポティファイは2008年にスウェーデンで始まった音楽配信サービス。アップルが展開するアプリストア「アップストア」でアプリを配信しているが、アップルの音楽配信サービス「アップルミュージック」とは競合関係にある。日本での有料プランの料金はともに月980円(税込み)だ。

 スポティファイは、アップストア内で有料プランを購入した場合に、アップルが料金の30%の手数料をかけて月額料金をアップルより高くしようとしていると主張。ウーバーなどの配車や配達サービスといったアプリには手数料を課していないのに、音楽配信に手数料が課されているのは不平等だと訴えている。

 また、アップルが展開する音声アシスト機能の「Siri(シリ)」などのサービスでスポティファイを締め出しているなどとも主張。スポティファイは欧州委員会に公正な競争環境を求める訴えを起こすとともに、「タイムトゥプレーフェア」(公正にプレーする時だ)とする専用サイトも立ち上げた。

 これに対し、アップルは米国時間14日、サイト上で「スポティファイはアップストアを通じて成長してきたにもかかわらず、アップストアに支払いをせずに利益を独占しようとしている」との声明を発表。30%の手数料は差別的待遇ではなく各社共通の取り決めで、スポティファイがSiriなどに対応できるようにもしてきたと説明した。

 近年、アップルやグーグルなどのIT大手「GAFA(ガーファ)」については、市場を寡占しているとして批判が高まっている。米国では大統領選に出馬を表明している民主党議員が「アップルはアプリストアを分離すべきだ」などと主張。今回の件について欧州委員会の判断に注目が集まっている。(栗林史子)

対立するスポティファイとアップルの主張

【スポティファイの主張】

・アップルは優位な地位を利用して、競争相手に不利な条件を強いている

・差別的な30%の手数料を課し、スポティファイの有料会員の料金がアップルミュージックの料金より高くなるようにしている

・Siriやアップルウォッチでスポティファイの機能が制限されている

【アップルの主張】

・スポティファイの主張は、アップストアの利用料を支払わずに利益を独占しようとする狙いだ

・差別的待遇ではなく、取り決めの通りに対応している 

・スポティファイはアップル製品に対応するアプリを自由につくれる状況にある