【動画】大阪府知事・市長のダブル選に立候補を表明している4氏が討論した
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 4月7日投開票の知事・大阪市長ダブル選に立候補を予定する4氏が18日、朝日新聞大阪本社で府と市の課題を議論した。4氏の主な発言は次の通り。(楢崎貴司、半田尚子、左古将規、写真・細川卓)

「司令塔一本化で成長する大阪を」(大阪市長 吉村洋文氏)

 私は「成長する大阪」を目指したい。大阪には力がある。日本を引っ張る都市にならないといけない。これが、府と大阪市の二重行政があって実現できなかった。都構想の再挑戦について信を問いたい。

 3年4カ月前に市長に選ばれた。財政改革、教育、住民サービスの拡充、徹底的にやってきた。百点満点ではないかもしれないが、自分ができる限りのことをやってきた。マニフェストに掲げたことの9割は達成できたと思う。ただ、どうしても達成できなかったのが都構想の再挑戦だ。

 大阪府は全国47都道府県の中で2番目に小さい。大阪市は全国20の政令指定都市で4番目に小さい。ものすごく小さなエリアの中に都道府県が二つあるような状態だ。これが大阪の成長を阻害してきた。司令塔を制度的に一本化することで、大阪全体の成長戦略を描く。都構想をやればすべてがバラ色というわけではないが、都構想を実現する方が、大阪の成長を実現できる可能性が高いと思う。

 万博は確実に大成功させたい。最先端の技術を使って府民の皆さんが豊かになるような、生活の質が向上するような万博を目指したい。たとえば、高齢化が進むエリアで自動運転のバスを運行させるなど、皆さんが上を向いて歩いていけるような万博を目指したい。

 隣には統合型リゾート(IR)を誘致する。夢洲(ゆめしま)を世界最高のエンターテインメント拠点にしたい。

 僕と松井知事は府市一体の改革を進めてきた。僕が知事選に挑戦することで行政の連続性を維持したい。

「都制度は府の発展を阻害する」(元副知事 小西禎一氏)

 「成長をわかち合える大阪」を掲げたい。今の成長は、府民全員にすみずみまで実感できる成長になっていない。一人ひとりが実感できる成長に、どうつなげるかが今の課題だ。全体の底上げをしないといけない。ものづくり、中小企業や商店街の活性化に改めて取り組む必要がある。

 国全体の景気の底上げや、好調なインバウンドを背景に、一部に明るい兆しはあるが、足元には課題が山積している。そういう時期に、都構想の議論をこれ以上続けるべきではない。

 私は都構想に反対する。理由は三つある。

 一つは、地方分権に反するからだ。府は地方分権を進めるため、市町村への権限移譲を進めてきた。

 二つ目。これまで大阪では、大阪市が市内のことに取り組み、府が府域全体をカバーしながら、府全体として発展してきた。都制度では、府の力が市内に割かれることで、府全体の発展が阻害される。

 三つ目の理由は、新たな庁舎を建設するなど、壮大な無駄遣いが生じる。住民間、職員間に混乱が生じる。大阪はそういうことに関わっているひまはない。

 東京は都制度だから東京への一極集中が生じているのではない。首都機能があるからだ。制度とは関係ない話だ。

 IRの誘致は推進するというふうに考えているが、府民の中にはカジノ依存症や青少年の健全育成に対する影響、反社会的集団の介入の問題など、さまざまな不安がある。そういった点を慎重に踏まえながら、誘致の推進にあたりたい。

「府と市、対立の過去に戻さない」(府知事 松井一郎氏)

 知事を7年3カ月務め、府市一体で大阪の成長に取り組んできた。さまざまな指標を見ても、確実に歩みを進めている。過去の「府市合わせ(不幸せ)」と揶揄(やゆ)された府と市の対立という残念な過去に戻らないためにも、新しい大都市制度が必要だ。

 日本は今、東京一極集中の状態にある。東京と切磋琢磨(せっさたくま)できる行政制度を作るのが大阪都構想だ。ただし、最終的には住民の皆さんに判断いただく。2015年11月の(知事・大阪市長の)ダブル選で僕と吉村市長は都構想の再チャレンジを掲げて、負託を得た。この公約を守り切るために、もう一度、知事・市長選で民意をいただきたい。

 大阪は三大都市圏の中で一番早く高齢化社会を迎える。社会保障費は増大していく。成長の果実がなければ、社会保障を支えることができない。直面する人口減少、超高齢化社会で、医療、福祉、教育の財源の不安をなくし、世界一住みやすい「大都市・大阪」を目指したい。

 大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま)は、府と市の対立で生まれた負の遺産だ。市民の税金が投入され、ほったらかしの空き地となっていた。この大規模な負の遺産を有効な資産に作り替える。万博開催にあたり、様々な規制緩和をした「スマートシティー」という概念で会場を整備したい。自動運転、人が乗れるドローン、健康寿命を延ばすためのバイオテクノロジーの活用――。これから世界が直面する高齢化社会(の課題)を解決するようなエリアを作りたい。

「特別区が複数、意思決定より複雑に」(元自民党大阪市議 柳本顕氏)

 私は自らのすべてをかけて、大阪を取り戻す、市民の自治を守り抜くために市長選への出馬を決めた。知事が市長選に、市長が知事選に出ることなど暴挙としか言いようがない。都構想の議論に終止符を打ち、大阪の未来を切り開きたい。

 「都構想」という言葉を便宜的に使っているが、大阪市の廃止分割構想だ。都構想は府と市が一つになることではない。都構想の本質は、大阪市が複数の特別区という脆弱(ぜいじゃく)な半人前の自治体に分かれてしまうことにある。分割で無駄なコストや負担が生じる。

 都構想で(府と大阪市の)二つの意思決定が一つになって、意思決定がスムーズにいくような印象があるかもしれないが、特別区が複数できることで、意思決定はより複雑になる。

 大阪市は政令指定都市の強みを生かして潤沢な住民サービスを提供している。都構想は住民の皆さんに大きな負担をかけることになり、結果として住民サービスの低下を導くものだ。

 今、大阪は世界とつながろうとしている。ベストチャンスが巡ってきている。6月には大阪市で主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が、2025年には大阪・関西万博が開かれる。ものづくりや技術力など持てる魅力を世界に届けていかなければならない。

 その下支えとなるのは、市民の生活の安全や安心だ。都構想の議論をしていたら、お金がかかるだけだ。そのお金を大阪の成長や市民の皆さんのために使う。防災・減災対策や福祉、教育、女性施策などに力を注いでいくべきだ。

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