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 全日本柔道連盟(全柔盟)は19日、柔道の日本代表の愛称を「ゴジラジャパン」にすると発表した。

 「ゴジラ」は日本を代表する怪獣映画。1954年に東宝が第1作を公開して以降、世界的な人気を誇る。全柔連は東宝側と協議を進め、「ゴジラ」の名称が使えることになった。

 これまで全柔連ではライバルとなる海外選手の戦い方などを分析するシステムを「Gold Judo Ippon Revolution Accordance」(金・柔道・一本・革命・調和)と名付け、通称「ゴジラ(GOJIRA)」と呼んでいた。これを知った東宝側から全柔連に提案があり、双方で「なにか一緒にできないか」という機運が高まって今回の愛称につながったという。

 日本柔道は2016年リオデジャネイロ五輪で男女14階級中、金3個を含む12個のメダルを獲得した。圧倒的な強さを誇りながら、「他の人気競技に比べて報道が少ない」という声も現場の強化陣などからは漏れていた。自国開催の東京五輪へ向けてインパクトの強いゴジラがイメージキャラクターにつくことで「求心力になる」という賛同の声が上がっているという。

 全柔連と東宝との契約は今年の年末までだが、東京五輪を見据えて延期の可能性もある。日本代表選手のジャージーにゴジラのイラストをあしらうなど、8月25日に東京・日本武道館で開幕する今年の世界選手権へ向けて日本柔道のイメージキャラクターとしてPRしていく。

すんなり決定せず 女性理事は反対

 世界に知られる日本生まれの大怪獣が代表チームの顔となるが、すんなり決定とはいかなかった。

 「27、28年も(全日本柔道連盟の)理事をやっていて、(理事会で)多数決を採ったのは初めてだよ」。そう言ったのは全柔連の山下泰裕会長だ。15日に開かれた全柔連の理事会で愛称について議論したところ、一部の理事から慎重な意見や反対意見が相次いだ。予定を超える約40分の議論の末に会長を除く22人の理事で多数決を採ったところ、賛成14、反対8の結果に。全会一致とはならなかった。

 全柔連によると、「ゴジラって礼儀正しいのか」や「ゴジラには破壊のイメージがある。柔道が目指すものと違うのではないか」などの反対意見があった。「マーケットリサーチを行い、影響を見極めてから進めたらどうか」といった慎重論も出たという。出席した2人の女性理事は、いずれも多数決で反対に回った。

 理事会では全柔連幹部が「水爆から生まれたゴジラも今や国民的アイドル。(指導者の暴力問題など)不祥事を乗り越えて健全化した全柔連と似通うところがある」と説明したものの、反対した理事たちの反応は薄かったという。

 選手たちの印象はどうか。リオデジャネイロ五輪男子100キロ級で銅メダルを獲得した羽賀龍之介(旭化成)は「強いイメージがあるので、僕らの体形には合いますね。リオ五輪の時はなかったですから。ネーミングで競技が思い浮かぶのは大事だと思う」と好意的に捉えた。男子100キロ超級で東京五輪を目指す小川雄勢(明大)も「野球が侍で知られているように、柔道が親しみやすくなると思う」と語った。一方、ある若手の女子選手は「よくわからない……」と微妙な反応。性別や年代によって受け止め方に差がありそうだ。(竹園隆浩、波戸健一)