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 平成の30年で、スポーツやその環境はどう変わったのか。「グローバル化」をキーワードに振り返ります。

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 お前、アホちゃうか?

 シーズンオフの契約更改で大リーグ志望を伝えるたび、吉井理人(53)は球団幹部から鼻で笑われた。

 昭和から平成へ。時代が継ぎ目を迎える前後の話だ。

 後に日本のプロ野球で89勝、メジャーで32勝を挙げる右腕は1984年、和歌山・箕島高から近鉄に入団した。自称「田舎もん」は「野球といえば日本。それが全てだと信じて疑わなかった」。衛星放送もインターネットも普及する前、昭和の終わりだった。

 「違う野球」を知ったのは、まだ2軍暮らしだった86年。テレビで見た日米野球だった。大リーグ選抜が来日し、全日本を6勝1敗と蹴散らした。「桁違いのパワーが強烈で」。当時、大リーグに日本選手はいなかった。「それでも、米国に行きたくなった」

 抑えの切り札として台頭し、契約更改のたびに米移籍を訴えた。「行ける方法、ないですかね」。前例に乏しく、制度もない。毎年、頭ごなしの「アホちゃうか」、一言でやりとりは打ち切られた。

 元号が平成に変わり、ヤツが来た。90年、野茂英雄(50)が近鉄に入った。

 打者に背を向けるトルネード投法で、1年目から最多勝を挙げた。圧倒的な存在感と成績だった。

 互いに秘める大リーグへの思いを語り合った記憶はない。「移籍できるルールがないんだから」。だから94年のオフ、近鉄との契約交渉でもめた野茂がメジャー挑戦を表明した時、吉井は真顔で突っ込みたくなった。「野茂、アホちゃうか?」と。

 野茂は任意引退の身分で海を渡…

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