[PR]

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、海上で抗議活動をしていた芥川賞作家の目取真(めどるま)俊さん(58)が、米軍と海上保安部に不当に拘束されたとして国に損害賠償などを求めた訴訟で、那覇地裁は19日、海保の逮捕は違法だったとして8万円を支払うよう国に命じた。米軍の責任は認めなかった。

 目取真さんは米軍が約8時間拘束し、その後、中城(なかぐすく)海上保安部に引き渡され緊急逮捕された。平山馨裁判長は、拘束が長引いたのは海保の責任だと指摘し、「身柄の引き受けが遅れ、直ちに釈放すべきだった」と述べた。

 判決によると、目取真さんは2016年4月1日、辺野古の臨時制限区域に入ったとして米軍に拘束され、その後、海保が緊急逮捕した。

 目取真さん側は、米軍拘束中は犯罪事実を告げられず弁護人に連絡もできなかったとして、憲法が保障する弁護人選任権などを侵害されたと主張。海保に対しても、身柄を引き取ろうとしなかった責任があると訴えた。目取真さんは判決後「違法と認められたことは意義がある。人権保障の点からも当然の判決だ」と話した。

 目取真さんは海保に引き渡された後、地位協定に伴う刑事特別法違反容疑で海保に緊急逮捕されたが、那覇地検は16年10月に不起訴処分(起訴猶予)とした。(伊藤和行)