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 東京都江東区のマンションで住人の加藤邦子さん(80)が資産状況を尋ねる「アポ電」と呼ばれる不審な電話の後に殺害された事件で、強盗殺人容疑で逮捕された3人のうち1人の指紋が、警視庁が過去に特殊詐欺についての相談を受けた際に検出されたものと一致していたことが捜査関係者への取材でわかった。同庁は3人が特殊詐欺グループと関連があるとみて詳しく調べている。

 捜査関係者によると、東京都内で1月下旬、警察官をかたる人物に「キャッシュカードが不正利用されている」などと言われ、カードをすり替えられる事案があった。実害がないとして被害届は出されなかったが、その際に使われた封筒から検出された指紋が、鑑定の結果、住所不定、無職須江拓貴(すえひろき)容疑者(22)のものと一致したという。

 逃走に使われた軽乗用車や押収した複数の携帯電話は3人とは別人の名義で、特殊詐欺事件と同じ特徴がある。警視庁は江東区の事件は凶悪化した特殊詐欺グループが関与した疑いがあるとみている。

 また、軽乗用車の中から粘着テープやラップが見つかっていたことも新たにわかった。加藤さんは発見された際、両手をラップで縛られ、両足と口付近には粘着テープが巻かれていた。警視庁は、3人が事件で使った可能性があるとみて詳しく鑑定している。軽乗用車は3人のうち住所不定、無職酒井佑太容疑者(22)の長野県の関係先から押収している。

 この事件では須江、酒井両容疑者のほか、川崎市川崎区京町2丁目、土木作業員小松園竜飛(たつみ)容疑者(27)が逮捕されている。3人は「江東区には遊びに行っただけ」と供述し、容疑を否認している。