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(19日、大相撲春場所10日目)

 大関とりの22歳に綱の威厳を示すはずの一番で、鶴竜は相手の「土俵」に立ち、そして屈した。

 押し相撲が相手なら、早くまわしをつかむのが定石。しかし、横綱は「当たって突っ張ろう」と貴景勝の得意に付き合った。ところが、二の矢三の矢の突きにたまらず引く。回り込もうとしたが、足を滑らせ両手をついた。

 藤島審判長(元大関武双山)は「貴景勝の圧力があったということ」。初日の黒星から8連勝し「『場所勘』が戻ってきた」と上り調子だったが、引き技に頼る悪癖が出てしまった。

 「選択を間違えてた。自分の相撲を取ればよかったのに、自分で自分の足を引っ張って負けちゃった」。そう仏頂面で振り返った鶴竜。胸中にあったのは、世代交代にあらがおうとする33歳の意地だろう。

 昨年の名古屋以降、御嶽海、貴景勝と20代が賜杯(しはい)を抱いた。今場所前、鶴竜は「チャンスを与えちゃった面はある。存在感をまだまだみせていけたら」と意気込んでいた。2場所連続休場を招いた古傷の右足首付近の痛みとも「慣れじゃないけど、どういう風に(調子を)持っていけばいいかは分かる」と復活に手応えをのぞかせていた。

 大阪は新三役、大関、横綱昇進を決めた験のいい場所。そこで若手の壁にならんとしたが、貴景勝に持ち味を存分に発揮され、大関昇進を後押しするような負けっぷり。5場所ぶりの優勝は遠ざかった。(金子智彦)

貴景勝、苦手の鶴竜を初撃破

 貴景勝は、3戦全敗と苦手にしてきた鶴竜を破り、「出来ることは少ないので集中するだけ。始まったら夢中だった」と振り返った。勝利数だけではなく内容も問われる今場所。横綱からの白星に「そういう(大関昇進がかかる)場所とか、自分ではそこにフォーカスしてない」と素っ気ない。11日目の白鵬戦へ向け「しっかり準備することしか出来ないので」と、いつも通り淡々と語った。

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