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 山間部を走るJR釜石線や山田線で悩みのタネなのが、シカとの衝突だ。なんとか防げないかとJR東日本グループと民間企業が協力し、ハチの羽音を使った実証実験を行ったところ、効果はバツグンだった。

 JR東日本によると、2018年度上期(9月末まで)、列車とシカとの衝突事故は釜石線で84件、山田線で108件にのぼった。事故が起こる都度、遅延などダイヤの乱れにつながる。対策に悩んでいたところ、グループ企業を通じて、広島県福山市の養蜂業「はなはな」を知った。

 同社は養蜂で得た経験から、野生動物がスズメバチを恐れる習性を生かした装置を開発。複数種のハチの羽音や体臭を、配管を通じて害獣を退けたい範囲に送り出す。

 昨年12月から、JR山田線の陸中川井駅―腹帯駅(いずれも宮古市)間の約500メートルで実証実験をスタート。配管を線路脇に設置し、2メートル間隔に開けた穴からススメバチなどの羽音を聞かせた。

 すると、3月までに実験区間でのシカとの衝突事故はゼロに。「はなはな」の清水秀幸社長によると、2月には実験前にあったシカの足跡がなくなり、近所の住民からも「姿を見なくなった」と言われたという。

 今回は配管を地上に置いたが、地中に埋め込むこともできる。臭いも拡散すればより大きい効果が期待できる。シカのほか、イノシシ、ツキノワグマよけにも一定の効果があるという。

 JR側は今回の結果を受け、本格導入するかどうか検討する。(御船紗子)