[PR]

 大阪府知事・市長のダブル選(4月7日投開票)に立候補を表明している4氏が一堂に会して討論会に臨んだ。大阪維新の会の2氏と、自民党が擁立して「反維新」勢力の結集をめざす2氏という構図だ。

 討論会は18日、朝日新聞、産経新聞、毎日新聞が共同で開催。大阪市北区の朝日新聞大阪本社で行った。維新側は知事選に立候補する吉村洋文・大阪市長(43)=維新政調会長=と市長選に立候補する松井一郎・府知事(55)=維新代表=が出席。「反維新」側は知事選に立つ小西禎一(ただかず)・元同副知事(64)と市長選に立つ柳本顕・元自民市議(45)が出席した。小西、柳本両氏は自民などが推薦を決めている。

 討論会のほぼ全文は、次の通り。

ダブル選への意気込み

 ――今回のダブル選への意気込みをお願いします。

 吉村氏 まず自分の全てを懸けて知事選に挑戦したいと思います。私自身は、3年4カ月前に市長になりました。大阪市長になって、大阪市の財政の改革、それから子供たちへの教育、将来の投資。そういった住民サービスの拡充を徹底的にやってきました。松井知事とともに、大阪市と大阪府をあわせた成長戦略というのを徹底的にやってきました。100点満点ではないかもしれませんが、自分ができる限りのことを力を出し切ってやってきました。その結果、マニフェスト(公約)に掲げたことについては、9割は達成できたと思っています。ただ、どうしても達成できなかったこと、これが都構想の再挑戦です。残りの8カ月の任期において、都構想の再挑戦、住民投票までたどり着かないことが確定しました。そのときに自分としてどうするのか。市民のみなさんに約束したこと、これは絶対に実行したいという思いです。ですので今回、松井知事とともに辞職し、そして都構想の再挑戦について、一歩、二歩前に進めるために、市民・府民のみなさんに信を問いたい。自分の首をお預けして信を問いたい、という思いで立候補しました。松井知事とは、府市一体の改革を進めてきました。府のこれまでの進め方もきちっと十分に把握しています。その中で、僕自身は大阪府知事として、大阪の成長を目指していきたいと思います。

 小西氏 私は、大阪は大変重要な時期に来ていると思います。そういう時期に、いわゆる都構想の議論をこれ以上続けるべきではないという思いで出馬を決意しました。いま大阪は国全体の景気の底上げ、好調なインバウンド(訪日外国人客)を背景に、一部に明るい兆しがあるんですけれども、足もとを見たときにまだまだ課題が山積しています。子供の問題、女性の問題、いま手を打たないと禍根を残すと思っています。そういう中で今回ダブル選が実施されることになり、経過について後の項目でお話できるかもわかりませんけれども、経過についても、大変大きな疑問を持っています。従いまして、いまのこのような府政の歩み、私も関わってきた府政の歩みについて、ここで大きく舵(かじ)を切ることによって、大阪の課題に真正面から向き合って前進させる。そういった府政を作り上げたいという思いです。そのために立候補を決意した次第です。

 松井氏 市長選に立候補(表明)しました松井です。知事を7年3カ月務めまして、この7年3カ月は橋下徹市長、吉村市長とともに府市一体で大阪の成長に取り組んできた7年3カ月でありました。結果、経済指標、様々な指標を見ましても、確実に大阪の成長というものが歩みを進めているという風に感じています。この府市一体の状況をこれから未来永劫(みらいえいごう)続けていくために、過去の「府市合わせ(不幸せ)」と揶揄(やゆ)された二重行政、府市の対立、こういう昔に、残念な過去に戻らないためにも新しい大都市制度が必要だと思っています。ご承知のように、大阪は三大都市圏の中で一番早く高齢化社会を迎える大都市であります。これから高齢者のみなさんの社会保障(費)は増大していくわけで、社会保障を支えるためにも成長の果実、これがなければ社会保障を支えていくことはできません。今回、吉村市長と知事、市長を入れ替わって、今の府市一体の状況を引き続き継続させるために、大阪市長に挑戦することといたしました。全力で戦っていきたい、こう思っております。

 柳本氏 このたび自らの全てを懸けて大阪を取り戻す、そして市民の自治を守り抜くため市長選に出馬することを決めさせていただきました。都構想議論を続けている限り、大阪市が無くなるかどうか分からないという状況で、大阪の未来を語ることはできません。大阪の市長選をもって、いわゆる都構想議論に終止符を明確に打って、大阪の未来を切り開いていく展開を進めていかなければならないと思っています。8年前から(府知事・大阪市長の)ダブル選があって進んできた都構想。あるいは、4年前からは副首都という言葉も出てきていますが、いずれも東京のまねでしかありません。物まねというものは大阪の得意分野かもしれませんけども、それはオリジナルを超えてこそ、大阪らしさが初めて開花するという風に思うんですけども、はじめから超えることを想定していないような状況でございまして、これでは結果的に劣化し続けるだけで、大阪としての未来のビジョンが見えてきておりません。いま大阪は世界とつながろうとしています。今このときこそ大阪発の地域モデル、ものづくり、技術力、インバウンドの大きな効果の流れを生かしながら発信していくべきだと考えます。また、その下支えとなる市民の生活の安心も非常に重要でございまして、具体的には昨年の様々な自然災害を踏まえて防災・減災対策を進めるとともに、人口減少社会、少子高齢化社会にあっての福祉、教育、女性施策などの充実に力を注いでいくべきだと考えます。世界とつながる大阪、世界にむけて魅力を発信する大阪、大阪モデルを世界に提案できる大阪、これが大阪にとっても私にとってもラストチャンスであるという思いを持って、今回の戦いに臨んで参ります。

都構想の是非で対立

 ――維新の2氏に聞きます。今回のダブル選の最大の争点は大阪都構想になりそうです。都構想が大阪の成長に必要だと言うのはなぜですか。また、知事と市長の立場を入れ替えてまで都構想を推進しなければならないのですか。

吉村氏 全国47都道府県で大阪は2番目に小さい都道府県です。そして、大阪市は全国20ある政令指定市で4番目に小さい政令指定市。つまり大阪というのはものすごく小さなエリアの中に都道府県が二つあるような状態です。

 この状態の中で、大阪市と大阪府がそれぞれ同じような権限を持ち、縄張り争いをし、そして二重行政を重ねてきた。これがまさに大阪の不幸の歴史であります。これをもって「府市合わせ(不幸せ)」と呼ばれてきた。そんな歴史であります。まさに、これが大阪の成長を阻害してきたと思っています。現在、大阪には一本化する司令塔、つまり大阪全体の成長戦略を描く、そういった司令塔がないという状況で進んできたのが、これまでの大阪市と大阪府の関係。

 これをただしていくことによって、僕は大阪というのは成長すると思います。現在は僕と松井知事の人間関係によって成り立っています。これを制度として一本化することで、大阪が一つの成長戦略で成長することができる。まさにこれが大きな大阪の成長にとって貴重なものだと思っています。

 もちろん都構想をやれば全てがバラ色というわけではありません。ただ、現在のこの二重行政の大阪市と大阪府の関係よりは、制度的に一本化し、都構想を実現する方が、僕は大阪の成長を実現できる可能性が十分に高いと思っていますので、ぜひこれを、可能性を目指していきたいと思います。

 それから、僕と松井知事は府市一体でやってきました。誰しもが知事、市長選に挑戦する資格はあると思いますが、僕は府政をよく知り、そして府市一体の改革を進めてきた。この中で、僕が知事選に挑戦することで行政の連続性を維持しながら大阪都構想をさらに成長させていく、実現させていく。まさにその立場でやってまいりたいというふうに思います。

 松井氏 日本は今、東京一極集中という状態であります。日本に一極では非常に心もとないし、不安であります。この日本に二極をつくっていく、そのためには今吉村市長が言ったように、大阪という狭いエリアの中に成長できるポテンシャル(潜在力)は十分民間にもあるのに、大阪府と大阪市が対立することによって、この成長の芽が閉ざされている。これは非常に不幸なことだと思います。

 先ほど、柳本さんからもお話がありました。東京のまねじゃないかと。東京は1943年に東京都にかわりました。それから80年弱が経過して、まさに一極といわれる日本を牽引(けんいん)する、成長する大都市になったわけです。なぜそこを目指さないのかが、僕はもう、まずはそこを目指していくべきだと思います。東京と切磋琢磨(せっさたくま)できる行政制度、これを作り上げていくというのが都構想。ただし、この都構想については最終的には住民の皆さんに判断いただく、住民の皆さんに判断していただくまでのプロセスを今回しっかり皆さんにお示しをしていきたい。こう思っている。

 立場を入れ替えてまでということですが、これは簡単に申し上げて2015年11月のダブル選と、民意というものを我々以外の各会派、政党がこれをお忘れになっているからであります。2015年11月のダブル選で僕と吉村市長は、この都構想に再チャレンジすることを真正面に掲げて選挙を戦いました。そして、僕と吉村市長が負託を得たわけですから、この公約を守りきるためにはここでもう一度、知事、市長選挙において民意をいただきたいということであります。

 ――小西、柳本両氏に聞きます。都構想に反対されていますが、どのような大都市制度が必要だとお考えですか。また、維新の2氏が市長と知事の立場を入れ替えて選挙に立候補するという手法について、意見を聞かせてください。

 小西氏 まず都構想についての考えを述べさせていただきます。私は都構想に反対します。その理由は3点です。一つは、地方分権に反するからです。これまで大阪府は、地方分権を進めるために市町村への権限移譲を進めてまいりました。私が担当して作成したビジョンでも、中核市並みの権限移譲ということを掲げてこれまで推進してきました。その中では、大阪府と大阪市との関係については市町村の強化、基礎自治体の強化を前提として新しい連携を模索するという方策を出しておりまして、都制度というのはまったく志向しておりませんでした。

 二つめは、これまで大阪においては大阪市が市内のことをしっかり取り組み、府域全体は大阪府がカバーをしながら大阪府全体としての発展を遂げてきたと思っています。ここで都制度を敷くことによって、大阪府のこれまでの力が市内にさらに割かれるんではないか。そうすれば、大阪府全体の発展が阻害されるという風に考えております。

 三つめに、大きな制度改正になるわけで、そのことによって新たな庁舎を建設するなどの壮大な無駄遣いが生じますし、また住民間、職員間の混乱が生じると思います。先ほども申し上げましたように、今大阪にとっては大変重要な時期でそういうことに関わっている暇はない。こういう考えでございます。

 次に、一極集中の話がございましたけれども、東京が都制度を敷いているから一極集中が生じているわけではなくて、首都機能があるから一極集中が生じているわけで、それは制度とは関係ない話だというふうに思っています。例えばどうするかですけども、すでにこの間の二重行政の議論を踏まえ、地方自治法では政令指定市と都道府県の行政制度が設けられています。この制度を活用して新しい大阪府と大阪市の関係を築いていけば、ご指摘のような過去に戻るということはないというふうに思っております。

 次に選挙についてですけども、この間の経過をみておりますと、政党間の協議、調整の道具として知事、市長という公職のポストが使われたということではないかという風に思っております。それから、辞職してある意味で信を問うということであろうと思うんですけれども、この任期途中の辞職については、それで再選されたとしても残任期という規定がございます。これは辞職、途中の任期についてはそれほど重い責任を負うという趣旨の規定だろうと思っております。(知事と市長候補を)クロスすることによって、その重い責任を逃れるというのは許されることではないという風に思っております。

 柳本氏 私も便宜的に都構想という言葉を使わせていただきますが、基本的には、大阪市廃止分割構想であるということを冒頭に述べておきたいと思います。都構想が必要だ、賛成だという方々と、大阪が抱える課題認識については共有をさせていただけるものと思っております。しかしながら、その課題の解決手法として都構想はあまりにも多くの負担を市民にかけてしまうことになります。

 都構想の本質は府と市二つが一つになることだと思っておられる方がたくさんいらっしゃいますが、そうではありません。本質は一つの政令指定市、大阪市がいくつかの複数の脆弱(ぜいじゃく)な特別区という半人前の自治体に分かれてしまうことにあります。その分割によって無駄なコスト、新たな負担が生じてしまいます。また、その負担によって大きな効果が生まれてくるかといえば、効果はほぼない。逆にマイナスの効果が出てくるのではないかということさえ疑われるような状態であります。

 また、二つの意思決定が一つになって意思決定がスムーズにいくかのような印象があるかもしれませんけども、これまた特別区が複数できることにより、意思決定はより複雑になってしまいます。そういった状況の中で政令指定市、大阪市の強みをいかして大阪市民の皆さま方に潤沢な住民サービスを提供できているにもかかわらず、結果的には住民の皆様方には大きな負担をかけることになり、結果として住民サービスが低下することを導くものが、これが都構想だと言わなければなりません。

 そういった現状を考えた時に、やはり私は政令指定市、大阪市の強みをしっかりと生かした上で、府と市の課題については調整会議というものがありますので、そこで議論することができ、また解決できるということが、明確に地方自治法改正によって明示をされております。また、政令指定市の住民自治拡充においては総合区という制度がさまざまな手法を通じてできるわけであります。前回のダブル選におきまして、都構想議論を再燃したいという話は確かにありましたが、その際には都構想が否決された前回の住民投票の時のものよりもバージョンアップしたいといっておりました。しかしながら、今現在出てきている案をみてみますと、バージョンアップとはほど遠いものであります。むしろ、バージョンダウンと言わせていただきたい。

 であるとするならば、本来このような選挙戦を打つのであれば、市長は市長選に出る、そして知事は知事選に出て、改めて前回の時に民意を問うた方々に改めて自らが民意を問えばいいだけの話であって、それをわざわざ市長が知事選に出て、知事が市長選に出ることなど、暴挙としか言いようがありません。このような党利党略、私利私欲、あるいは統一地方選と合わせるという意味においては、(大阪維新の会という)自らの身を拡大させるがための、そういった選挙戦は許せないと考えております。

大阪・関西万博 「IR」誘致は

 ――2025年開催の大阪万博と合わせて、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致をどうするのかも大きな焦点です。万博会場の跡地利用を含め、どう考えていますか。

 吉村氏 大阪万博につきましては、誘致、これを一生懸命やってまいりました。アフリカにも2度行き、中央アジアにも行き、ヨーロッパにも何度も行き、そして世界のみなさんにご賛同もいただいて、そして市民・府民のみなさんにもご賛同をいただいて、万博を誘致することができました。この大阪・関西万博を確実に大成功させたいという風に考えています。

 万博の跡地についてですけれども、万博自体は「いのち輝く未来社会のデザイン」というのをテーマにしています。最先端の技術を使って、そして市民・府民のみなさんの生活が豊かになる、これまさに僕は万博にとって重要なことだと思っています。

 そういった万博について、6カ月の万博期間を成功させるのは、これは誘致をした人間として当然だと思っています。合わせて、6カ月だけではなくてむしろ、6年、これからありますけれども、この6年の間、これから万博に向けても大阪の最先端の技術、それを使って大阪府民のみなさんが豊かになるような、生活の質が向上するような、そんなまさに万博というのを目指していきたいと思います。

 例えば、高齢化が進むようなエリアにおいて自動運転のバス、人件費のかからない自動運転のバスを運行させるなど、さまざま万博、2025年に目がけて、大阪のみなさんが上を向いて歩いて行けるような、そんな万博を目指していきたいと思います。

 そして万博の跡地、レガシーについてはもちろん、そういった万博ですから、最先端の技術を生かした、この万博のレガシーを感じとれるエリアにしていきたいと思っています。隣には、統合型リゾートのIRを誘致します。ですので、万博のレガシーをしっかりと感じ取れる、そんなエリアにしながら、そしてかつ、世界最高のエンターテインメント拠点に夢洲(ゆめしま)をしていきたいという風に思っています。

 小西氏 万博については、大阪開催が決定されまして、大阪府民も本当に喜んでおられると思います。次は、万博会場に足を運んでよかったと思えるような万博にしていくことが課題だと思っております。この間の、最近の万博では来場者がなかなか増えないということが課題だと聞いておりますので、足を運んでいただけるような万博にどうするかということが課題だと思います。

 もう一つは、この万博を通じて大阪の強みを世界に発信していく。バイオ、医療、これはテーマに沿った内容でございますし、それから大阪のものづくり中小企業の最先端技術を世界に発信していく、そういった場にすることで多くの方にご来場いただけるのではないかなと思います。

 もう一つはこの万博を(会場の)夢洲だけにとどまらずに、大阪府域全体にその効果を及ぼすことが必要ではないかなという風に思っておりまして、例えば府内各地にハード・ソフト両面ですけれども、サテライトを設けることはできないかなということを思っております。

 その後ですけれども、大阪の強みを発信するわけですから、そういった大阪の強みを使った未来社会を感じていただくよう施設、あるいはエンターテインメントの施設を設けて、大阪、ここにしかないといったものを整備する必要があるだろうなと思います。

 次にIRの誘致について、これは推進するという風に考えておりますけれども、なお府民の中にはですね、カジノ依存症でありますとか、あるいは青少年の健全育成に対する影響でありますとか、反社会的集団の介入の問題でありますとか、さまざまな不安がございますので、IRについては幅広い府民の理解を得ることが重要だと思いますので、そういった点を慎重に踏まえながら、誘致の推進にあたってまいりたいというふうに思っております。

 松井氏 万博会場となる夢洲・ベイエリアは、まさに大阪府市が対立し、二重行政で生まれた負の遺産です。夢洲には市民の税金6千億円ほどの税投入がなされ、ほったらかしの空き地となっていた。我々が万博を誘致しようと考えたこと、そして、IRを中心としたエンターテインメントの拠点にしたいと取り組んだ理由は、この大規模な負の遺産を有効な資産に作り替えるということであります。府民市民の支援で万博は決定しました。しかし万博は半年間の開催であり、この夢洲を持続可能な成長エリア、にぎわいのエリアにしていくためには、IRを含めたエンターテインメントの拠点を作らなければならない。こう思っています。

 もう一つ、万博の開催にあたり、現在も国と協議中だが、さまざまな規制を緩和したスマートシティーという概念をもって会場整備にあたりたいと思っています。自動運転は当たり前。人が乗れるドローン。マイナス10歳、健康寿命を延ばすためのバイオテクノロジーの活用、大阪の中小企業のものづくりの技術を採り入れた医療製品・器具。こういうものを生み出して、まさにこれから世界が直面する高齢化社会を解決する、そのようなエリアを夢洲に作っていきたいと思っています。

 柳本氏 大阪・関西万博については、夢洲1カ所だけのものにするのではなく、また、開催期間を6カ月間だけのものにするのではなく、また大阪府域はいうまでもなく、関西全体、あるいは日本全体にインパクトを与えるようなものにしなければならないと考えており、またその準備期間、さらには開催後も含めて非常に重要と考えており、今後に向けて重要な位置づけで考えていかなければならないと思っております。

 「命輝く未来社会のデザイン」ということで、未来社会をまさに世界に向けて提示するような状況をつくらなければならない。よって跡地利用も、万博が開催されたことをしっかり踏まえて、未来の提示を世界に向けて発信できるような状況を、その地において作り上げていく必要があるのではないかと考えています。

 具体的には、国でスーパーシティー構想というものを地方創生のもとで考えていますが、そういった取り組みと連動しながら、AIやIoTなどを駆使した、まさに未来の社会のライフスタイルや企業運営、まちづくりをその場でもって、世界に提示することが必要かと思います。

 あわせてエンターテインメントの視点も大変重要でして、人が集まる仕組みも考えていかなければなりません。さらに具体的にいうと、バイオや医療、大阪の強みである最先端技術、中小企業のつながりを導くような状況にしていかないといけないと思っております。近未来的な空飛ぶ車、ドローンなどの試験運転を実施していくような状況についても考えていけるのではないかと思っています。

 隣のIRについては、あわせもっての推進が現実に目の前にある。その方向についてはしっかり注視し、また万博誘致にあたって、IRについても推進を考えていかなければならない。しかし、万博の実情、万博後の実情と併せ持って、そのあり方については関係諸機関、諸団体・地域住民とも意見を交わしながら、弊害となる部分をできるだけ減じていくようなやり方を見定めながら、進めていく必要があると思っています。

「自由討議」 吉村氏と小西氏が激論

 ――次は討論形式になります。知事選、市長選で戦う相手に対して質問し、反論してもらいます。

 吉村氏 まず小西さんは自民党、公明党の推薦を受けられていますが、自民、公明と考え方を相いれない連合からの推薦も受けられています。この自公、そして連合から推薦を受けられる中でですね、僕は古い役所に戻してもらいたくないという思いがあります。小西さんは橋下知事のときに、公務員改革に対して否定的な立場だったという風にも聞いています。それから公務員給与についても(現状の)カットを元に戻すという考えだったという風にも聞いています。それは議場でも明らかになっていることです。

 そんな中で、自公に加えて考え方の違う連合からも推薦も受けたのであれば、これは役所改革はできないんじゃないですかということをお聞きしたいです。昔の古い赤字だらけの大阪府の原状に戻してもらいたくないというのが僕の考え方です。僕自身は役所改革というのを進めて筋肉質、財政の立て直しもはかってきましたが、そういった考え方のまったく違ういろんなところから推薦を受けるというのでは、改革もできないし決断もできないのじゃないのかなというふうに思いますので、その点が質問の1点。

 そして2点目は、都構想の反対論で出ていましたけれど、大阪市内のことは大阪市がやる、そして大阪市外のことは大阪府がやる、これはまさに昔あった「府市合わせ(不幸せ)」の再来そのものであります。大阪市と大阪府がそれぞれあたかもベルリンの壁があるかのようにですね、権限争い縄張り争いをしていくと、そんな状況の考え方というのは柳本さんの考え方とも違うのじゃないかなと思いますので、これは府市一体になって力を合わせるべきだと考えますが、そういった府は府、市は市ということは僕はあるべきでないと考えますが、どのようにお考えになられますか。

 小西氏 いろんなところから推薦を受けたら決断できないのではということですけれども、大阪府の行政改革については大阪府の効率的な行財政運営、あるいは国民目線から見てどうなのか、という観点で取り組みますから、推薦のいかんにかかわらずやるべきことについては変わらないと思います。

 公務員改革に反対していたではないかとお話がありましたけれど、橋下知事の下で、さまざまな公務員制度の改革に取り組んでまいりました。例えば、出資法人への再就職の件についても新たなルール作りをしましたけれど、それらの改革をした段階で、橋下知事からはおおむね公務員制度改革については成し遂げたという評価をいただいたわけでございまして。その後あらたな職員基本条例が出てまいりましたので、それについていくつかの点について反対したということで、公務員制度改革そのものに反対したというわけではございません。なお、給与については、公務員の給与に関する基本的な制度がございますので、それにのっとって給与を支給すべきだということを申し上げたわけでございます。

 それから大阪市内市域外の問題ですけれども、もちろんベルリンの壁をつくってですね、大阪市と大阪府が役割分担をするっていうことではなくて、やっぱり基礎自治体として相当の力量を持っておられる大阪市は、市内のことについてやっぱり積極的というか責任を持って取り組んでいただくと。当然、その大阪府がそれに対して協力するところはこれまでも協力してきたわけで、むしろ大阪府はむしろ府域全体の発展という視点から、取り組むべきだということを申し上げているわけです。

 小西氏 吉村さんに2点質問させていただきます。万博開催に向けて現在も基盤整備が進められておりまして、総額は930億円というような数字が出ておるようですけれども、その中でアクセス整備についてはIR事業者の負担というのが前提とされていますけれど、例えばIR(開業)が(万博開催に)間に合わなかった場合、どうされるのかということについてお聞きしたいと思います。

 それから盛んにですね、司令塔の一元化ということをおっしゃっています。あるいは今の府市の状態では同じ権限を持って、ということをおっしゃるんですけど、法律上、府と市が同じ権限を持つってことはありえないわけで、権限上は大阪府か大阪市に属しているわけです。その上で地域の発展であるとか成長であるとかに対して、それぞれの自治体が広域自治体として、あるいは基礎自治体として意見を持っている。それが時にして同じくならない場合があるということだろうと思うんですね。そういう点で言いますと、いわゆる都構想、大阪市を解体して特別区を設置した場合においてもですね、特別区は当然、地域の発展とか成長について意見を当然持つわけでして、司令塔の一本化っていうのがですね、こうした特別区の意見については聞かないよ、ということなのかについてお聞きしたいと思います。

 吉村氏 まずアクセス整備についてですけども、これはIR事業者が受益を負担するわけですから、これは市民・府民のみなさんの税金ではなくて、IR事業者に負担をしていただきたい。200億円の負担をしていただきたい、いうことは明言しています。今後、IRは府市一体で進めていきますから、これについても公募の条件の中に含めていくということにして、少しでも負担を減らしていきたい、市民・府民のみなさんの負担を減らしていきたいという風に思っています。

 それから、間に合わんかったという場合とおっしゃいましたけども、小西さんがIRを実現しないという立場であれば、そういう発想が出てくるのかもしれませんが、これIRについては推進する立場です。ですので、仮に時期のずれというのが生じたとしても、IR事業者からの負担金というものもあるわけです。ですので、時期がずれたら、後の払いということになることがあるかもしれませんが、それについてはIR事業者に負担していくということを条件にしていきたいという風に思います。これについて、大阪万博については府市一体で進めていくということです。

 それから、司令塔の一元化の話ですけれども、いま大阪市と大阪府がまさに同じような予算を持って、同じような権限を持っている。ここで大きくぶつかるわけです。だから大阪市内には256メートルのビルが建ち、大阪市外には256・1メートルのビルが建つ。こんな状況になっている。これを解消していこうというのが都構想です。特別区になった場合、これは仕事の分担をきちんとしますので、医療・教育・福祉、住民サービスに集中した仕事をすることになります。だから僕は、医療・教育・福祉に集中した仕事をしていく。ただ街のことですから、特別区と新たな「大阪都」が話し合いをする、協議をするのは当然ですけれども、話が、大阪の成長戦略が二つできあがるということにはならない。今、大阪の成長戦略は大阪市・大阪府バラバラにある。これが昔の過去の状況だった。これを解消しなければならないというのが、僕の考え方です。

「自由討議」 松井氏と柳本氏も白熱

 《松井氏から柳本氏への質問》

 松井氏 柳本さんに聞きたいのは、柳本さんはまさに2015年11月、我々とダブル選を戦った張本人です。そしてその結果は、僕と吉村市長が負託を受けた。そのときに、自民党は「この民意を尊重する」ということをおっしゃいました。そして、「もうめくじら立てて、都構想には反対しない」ということもおっしゃいました。いや、これはおっしゃっているっていうのはネットにも残っていますから、そこは確かめていただいたらいいんですけども。その後、まずその経緯をお忘れになっているのか、というところが1点。

 それから柳本さんはよく2015年5月の住民投票の結果を持ち出され、一度否決されたということもおっしゃっています。当時、柳本さんが提案をした「大阪会議」、これが柳本さんたちが言っている「調整会議」なるものだと思うんですけども、この大阪会議で二重行政の解消の議論、議論の入り口にもたどり着けなかった。この事実。これはお認めになりますかというところですね。要は調整会議なるものが、二重行政解消の話し合いの場にしかならない。答えを出せない場だったというのが大阪会議だったんです。

 もう一つは、柳本さんは僕とのいろいろな話の中でですね、要は橋下知事、平松邦夫・大阪市長(の体制だった府市)ではね、万博・IRすら無理だったでしょとご自身でもおっしゃっている。この矛盾をどうご説明になるのか。

 柳本氏 いくつかご質問をいただいたので、全部的確にお答えできるかわかりませんが。まず根本的に私は、法に基づく住民投票と首長選挙というものは、根本的に違うという風に考えております。よって、大阪市廃止・分割を問うた住民投票に関して、その是非を問うたのはこれまで1回だけで、2015年5月17日、あの1回だけでございます。それについては、安倍晋三総理・総裁をもってもですね、そういった住民投票を20年ぐらいですね、2度、3度やるもんじゃないという風におっしゃっておりますので、私もその考え方に賛同するものであります。

 確かに(2015年11月の)首長選挙の時に負けました。実際、こういった討論の際に、都構想議論をもう一度させていただきたいという話をしていたことは、私自身も記憶しておりますので、その点については議会はしっかりと出てきたものについて議論をしていくべきだという考え方を持っております。よって、よくよく考えてみると(府・市でつくる都構想案を作成する)法定協議会については自民党もいま参画をさせていただいているわけですから、そういった意味では法定協議会が設置されてしまった、結果としてそういった状況については参画をしているということであります。

 それと地方議会で重要なことはですね、「二元代表制」制でありますので、地方議会とそして首長の二つの民意があるわけですから、そういった状況を考えながら、今後の大阪のあり方というものを進めていく必要があろうかと思います。そして大阪会議についても、苦言がございました。あれがまさに「ポンコツ会議」になったんじゃないかということだと思いますけれども、ありとあらゆる会議体は、そこに参加する方の意思で「ポンコツ化」することは可能であります。あれは維新の会の方々によって、「ポンコツ化」させられた。

 逆にいうとですね、こないだの法定協議会の議論を見てましても、あれもまさに「ポンコツ協議会」ですよね。それ以下ですよね。そういった状況を考えますと、あれはあえてそういった都構想議論を復活させんがために、大阪会議なるものを「ポンコツ化」させただけの話です。

 《柳本氏から松井氏への質問》

 柳本氏 松井知事、吉村市長も汗をかかれて一生懸命海外に誘致が決まった2025年の大阪・関西万博です。先ほども議論の中でありましたけど、これは非常に大阪の今後の未来を定める上で重要な位置づけになると考える。その国際的なアピールをされた上での万博の開催時期に、その大阪市がなくなっているということを、松井知事はせっかく海外の方々に聞かれた上で、「大阪市ありまへんねん」ということを、国際社会において認められうるもの、あるいは、その世界に対して、恥ずかしくないというものかをお聞きたい。

 また、万博開催にあたっての多額費用負担をはじめ、淀川左岸線なりなにわ筋線、そのほかも含めてさまざまなビッグプロジェクトがあるわけで、仮に都構想なるものが実現したときは大阪府が全部負担するのでしょうか。法定協議会の中でも、これを全部大阪府が負担するという議論はまったく出てきません。言葉を濁されます。一元化するというのであれば、口も出すけどお金も出す、というのが普通の考え方だと思いますけれども、今のままでは、特別区は口は出されへんけどもお金は出さされるという状況になってしまうんですね。ですから、明確に万博費用、ビッグプロジェクトという費用は、府が出すことになるんですよと、言っていただくことはできないんでしょうか。

 松井氏 まず、万博開催時に大阪市がなくなっているのは、世界からどう思われるか。これは、世界中で違和感を持たれるのではないかというお話ですが、ここが柳本さんと僕の感覚の違うところで、都構想という新しい制度をつくっても、大阪市のエリアが消滅するようなことではない。都市はそのままです。都構想は、行政の制度を見直すだけのことであります。特に、海外の皆さんから見て、大阪の市役所組織が、特にノスタルジーが市役所の制度についてあるのかといえば、それは違うと思います。大阪市内の今の大都市、現実にそこにある都市ですね、街並み、こういうものに対して海外の皆さんは敬意を持たれている。万博開催時に大阪市がなくなるというのは、また印象操作であって、市役所と大阪府庁の役割分担、役所の制度を見直すだけで問題ないと思います。

 また、ビッグプロジェクトですが、今柳本さんが言われましたように、このビッグプロジェクトが動き出したのは、今まさに府市一体だから動き出したんです。このなにわ筋線にしても、淀川左岸線にしても、なにわ筋線は30年間動かなかった。府市で対立してきたからです。淀川左岸線は46年間動かなかったんです。いま、これを動かすために、財源配分の協議をしています。従って、ビッグプロジェクトについては、大阪市が今持つ広域行政のための財源、その財源と大阪府の財源をセットで今協議している内容でこれからも進めたい。

最後に色紙に思い書く

 ――今回色紙を用意しました。今後の大阪をどうしたいか。色紙をもとに説明して下さい。

 「成長する大阪を」

 吉村氏 私は「成長する大阪」をめざしたい。僕の政治信条は、大阪を1地方都市で終わらせない。大阪には力があります。大阪は、日本を引っ張る都市にならないといけない。これが、大阪府と大阪市の二重行政、大阪の行政制度に問題があったので実現できなかった。これを今後、府市一体になって進めたい。大阪は徐々に、徐々に、徐々に成長してきています。さらに、都構想に再挑戦し、実行する。最終的に、都構想はあくまで手段。ぼくが思う大阪は、成長する大阪。ぜひ、つくっていきたいと思います。大阪が日本を引っ張る都市にする。大阪が日本を引っ張っていく。そんな大阪をめざしていきたい。それが僕の政治信条です。

 「成長をわかち合える大阪 全体の底上げ 共生 健康 安心」

 小西氏 「成長をわかち合える大阪」ということを掲げました、今の成長は、府民全員にすみずみまで実感できる成長にまではなっていない。これを、一人一人が実感できる成長にどうつなげていくのか、ということが今の課題であろうと思っています。そのためには、全体の底上げをしないといけない。特に、ものづくり、中小事業や商店街の活性化、これを改めて取り組む必要があると思っています。住民一人一人が、今後進行するであろう人口減少社会のなかで、いきいきとしていけるような、そういった共生する社会を実現していく必要がある。全体として成長し、一人一人が成長を実感できる。そういった成長をわかち合える大阪を築いていきたいと思っています。

 「成長」

 松井氏 まあ、だいたいみんな一緒なんですけどね。僕もこれまで成長する大阪をつくってきましたし、これからも継続していきたい。この成長を通じて、東京一極ではなく、関東・関西2極と言われる大大阪をつくりあげたい。そして、成長の果実で、これからまさに直面する人口減少、超高齢化社会の医療、福祉、教育、社会保障への財源の不安をなくしていきたい。このことによって、大阪が世界一住みやすい、そういう大都市大阪をめざしていきたい。こう思っています。

 「世界とつながる都市 大阪」

 柳本氏 「世界とつながる 大阪」と書かせていただきました。いま、大阪はベストチャンスなんです。6月には、G20(主要20カ国・地域首脳会議)が日本で初めて、ここ大阪で開催され、2025年には大阪・関西万博の開催が決まっています。いま、このときに、大阪の魅力をしっかりと世界に向けて発信し、中小企業など、大阪の持てる魅力を世界に向けて届けていかなければなりません。そのことが、大阪市民の皆さんの安全や安心につながると考えます。しかしながら、今そういった都構想議論をしていたら、かえって負担がかかるだけ。お金がかかるだけです。そういったお金こそ成長に使うべきであり、市民の皆さま方の生活の安全や安心に使っていくべきであると思います。そういった観点から、今回の選挙戦を通じて、都構想議論に終止符を打ちたいと考えています。

こんなニュースも