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 昭和最後の日、1989年1月7日、小渕恵三官房長官(当時)が掲げた新元号、「平成」の書を覚えている人は多いのではないか。あの「平成」の書は今、東京都千代田区の国立公文書館で厳重に保存されている。

 国立公文書館が所蔵することになったきっかけは、平成21(2009)年秋、同館が企画した天皇陛下在位20年記念の特別展。「平成」の書が竹下登元首相の自宅にあるという話を元に、同館が竹下家に貸し出しを打診したことだった。特別展が終わり、返却しようとしたところ、竹下家から国立公文書館で保存して欲しいと「平成」の書の寄贈の意向を受けたという。

 「平成」の書の原本は、和紙の変色などがみられ、保存上の観点から、原本の展示が困難と判断。精密な複製を作り、平成26(14)年5月から基本展示「日本のあゆみ」の一部として展示している。原本は永久保存のため、書物を保存するのに最適とされる同館書庫で、今も保存されている。

 国立公文書館では、昨年3月末から「平成」の書をモチーフとしたクリアファイルを製作・販売し、ヒット商品となり、平成もあと1カ月あまりとなった3月現在で約2万5千枚売れているという。(杉本康弘)