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 統一地方選の県内の幕開けとなる県議選(定数46)が29日、告示される。これまでに60人弱が立候補の準備を進めているが、事前審査段階で16選挙区で無投票の可能性がある。すべて無投票となれば、過去最多の22人が有権者の選択を受けることなく県議に選ばれる。

 「定数3の選挙区で選挙がないというのは、地方議員に魅力がないということか……」。各務原市選挙区(定数3)の候補予定者を支持する男性はこぼした。同選挙区では、2回連続で自民2人と国民民主(前回は民主)1人が無投票で当選する可能性がある。

 無投票選挙区では、同じ顔ぶれが当選を重ねるケースが目立つ。支持基盤も固定化し、新顔が挑戦しにくいとの指摘もある。今回の県議選で新顔擁立を準備しているのは、全選挙区で候補者を立てる予定の自民以外では「有権者に選択肢を示したい」(松岡清県委員長)とする共産のみ。立憲民主や国民は、現有議席の確保を優先した。

 各務原市選挙区に立候補予定の国民・伊藤正博県連代表は、「(無投票になれば)県議会や県政への関心が高まらない」と危惧する。一方で新顔を立てられない現状を「政治を変えるという志やエネルギーを持つ人がいなくなった」と嘆く。

 現職が1人の立憲・山下八洲夫県連代表は、当初、新顔擁立に意欲を見せていた。定数2以上の複数区のほか、地元の中津川市(定数2)でも擁立を模索したが断念。「政治不信の影響も原因。批判を恐れて、選挙に出たがる人がいない」

 県内では、衆参選挙区を自民が独占し、県議会も46人中33人を自民会派が占める。磐石の体制が新顔挑戦の壁になっている側面はあるが、その自民も後継者不足に悩む。ベテランの現職は「引退も考えたが、後任が見つからなかった」と立候補を決めた。現在、県議会の約半数が60歳以上。70代も12人おり、その全員が自民会派所属だ。

 岐阜経済大の勝田美穂教授(政治学)は、「投票によって、県民の『要求』を、政治家が政策に反映しているか『承認』する機能が果たせる。無投票だと政策の選択もできないし、やりっぱなしの『おまかせ主義』になる」と危惧する。

 立候補をする人が少ない現状を「リスクを取りたくない人が増えている」と分析。「自民が強い岐阜では、特に野党がリクルート方法を見直して人材発掘の努力をした方がいい」と話している。(室田賢、松浦祥子)