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 炊飯器でコメを炊く習慣がなかったインドに約30年前に参入し、一から市場をつくり上げてシェア5割と首位になったパナソニック。水も電気もない荒野で工場を立ち上げたが、売れない日々が続いた。いまは世界44カ国に輸出するハブ工場に成長。背景には、炊飯と同時に別の料理ができるトレーを開発するなど、地道な努力の積み重ねがあった。

 「工業用水の井戸を2~3カ所で掘ったが、なかなか水脈に当たらなかった。飲み水は、ろかしてビール瓶に入れて飲んだが、それでもおなかを壊した」。インド在任期間が計24年となるパナソニックAPインドの麻生英範社長(59)は、南部チェンナイに赴任し、工場立ち上げに奔走した1990年当時を振り返る。

 会社は同年に炊飯器の量産を開始。「カレーを食べるから炊飯器も売れるだろう、というノリだった」。日本はバブル経済が色濃い時期。ガスや薪でコメを炊くのが主流のインドで、日本の炊飯器を現地生産して売るという「前のめり」の挑戦だった。

 製品には自信があったものの、…

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