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 「日本の科学研究の実力は、著しく低下している」。国は昨年の科学技術白書で、日本の科学力への危機感を表明した。論文の数、若手人材の育成、研究費の状況など、さまざまな面で日本の科学は困難な状況にある。日本の論文の6割を生み出し、日本の基礎研究を支えてきた国立大学の研究現場では、国からの交付金(運営費交付金)の削減に伴って研究室の維持にも事欠く窮状が伝えられている。何が問題なのか、処方箋は。国の総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員である上山隆大さんに聞いた。

 ――国立大学に対する運営費交付金の削減や、研究予算の「選択と集中」による過度の競争環境が、日本の研究力低下につながっていると指摘されています。

 「選択と集中」が科学技術政策の強い基軸になっているとは、私は思いません。限られた予算の中では、どのような組織も選択せざるを得ません。アカデミア(学術界)は全体として一つの生命体のようなものです。多くの研究者が多様な研究をし、互いに刺激し合い、その中からノーベル賞学者のようなスター研究者が生まれてきます。この非常に複雑な生命体を短期的視点でむやみに切り刻み、弱い分野を切り捨てるようなことがあってはなりません。一方で、アカデミアは歴史的な時間の流れの中で進化していきます。研究者間の競争や相互批判など、日々の試行錯誤の末に捨て去られる分野もあれば、長い時間を経てよみがえる分野もあるでしょう。

 優れた研究者を生み出す「苗床…

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