【いきもの目線】ハダカデバネズミ@iZoo=2019年3月15日、竹谷俊之撮影
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 毛がほとんどなく、歯が出て皮膚はしわしわ。ハダカデバネズミは「きもかわいい(気持ち悪いけどかわいい)」動物として知られる。病気に強く長生きで、アリのような階級社会を作る珍しい動物だ。約5年前から展示をしている体感型動物園「iZoo」(静岡県河津町)で、不思議な能力を持つネズミたちを360度撮影した。

 主に爬虫(はちゅう)類や両生類を展示しているiZooで、ハダカデバネズミは唯一の生きた哺乳類。園の協力で、バックヤードにいる10匹を取材した。

 透明のパイプでつながる巣の中は、餌場や寝室、トイレといった部屋に分かれている。寝室に設置したカメラの映像には、ネズミたちが行き来する様子に加え、時には歯が飛び出した顔のアップも。VRゴーグルで映像を見ると、ありのままの姿を目の前で堪能できる。

 アフリカのエチオピアやケニアなどにある乾燥地帯の地中に生息し、イモなどの根っこを食べて集団で暮らす。群れには女王1匹とオス数匹のほかに、巣を守る「兵隊ネズミ」や巣穴の整備や食料を調達する「働きネズミ」がいる。

【動画】ハダカデバネズミのメイキング動画=竹谷俊之撮影

 撮影の準備をしていると、1月末に生まれた赤ちゃん数匹がヨチヨチ出てきたが、危険を察した働きネズミが巣の奥に避難させていた。飼育員の渡部那智さんは「それぞれに役割分担があり、まるで人間社会のようで面白い」。

 長寿としても知られる。渡部さんによると、似たような大きさのネズミの寿命は通常2~3年だが、ハダカデバネズミは約30年生きた例があるという。がんに耐性を示すといった特徴もあり、国内外で研究が進められている。(竹谷俊之)