[PR]

佐々木淳さん(医療法人社団「悠翔会」理事長、在宅医)

 超高齢社会ニッポン。中でも都市部で進む急激な高齢化は、待ったなしの課題だ。この問題に、200人超の様々な職種のスタッフとともに立ち向かう。

 高齢者への訪問診療など、24時間態勢で行う在宅医療クリニックを、首都圏に12カ所もつ。総患者数は約4千人。それらを束ねる法人の経営者であり、在宅医である。32歳のときに一人で開業し、全国最大規模まで成長させた。

 地域のクリニックの当直機能を代行したり、いろんな職種の人が学ぶ「在宅医療カレッジ」を運営したり。「診療満足度」「看取(みと)り率」などの数値をあえて公開するなど、発想と行動の力に富む。

 運営方針はすべて自分で決め、各クリニックに指示していた時期もあった。だが「現場のことをわかっていない」と反発が強まり、離職するスタッフも出た。思い切って各クリニックに裁量権を委ねると、いい方向に歯車が回り始めた。今は年2回、全スタッフが一堂に集まる。12クリニックの院長たちは経験を共有し、助言し合う。

 「やるべきことを、みんなで考える。それに取り組める風土を作るのが僕の仕事、と気づきました」

 中学のとき、母親が脳腫瘍(しゅよう)で手術を受け快復したのを見て、医師を志した。大学を卒業後、三井記念病院の消化器内科医に。だが、ひたすら肝臓がんを焼く仕事や、外来に軽症の人ばかりが受診に来ることに、違和感を覚えるようになった。「医療を違う視点から見たい」と考え、外資系のコンサルティング会社を受験、内定をもらった。

 勤務が始まるまでの間、たまたま在宅医療クリニックでアルバイトしたことが、運命を変える。神経難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の中年女性がいた。思い切って「つらくないですか?」と尋ねた。すると、予想もつかない答えが返ってきた。「いつも夫がそばにいて幸せですよ。人工呼吸器もきちんと設定すれば、ついていることすらわかりません」。夫婦で外食にも出かけていた。

 そこにいるのは、病気と闘う「…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら