[PR]

 まちづくりや地場産業の活性化、教育、福祉など住民の暮らしと直結する政策を担う地方議会。その規模や報酬、「開かれた議会」への取り組みや行政のチェック機能はどうなっているのか――。朝日新聞社が行った全国アンケートをもとに、県議会や21市町の議会の現状を探った。(堀田浩一)

前回から9市町で減 議員定数

 アンケートは昨年12月から全国1788議会を対象に実施し、今年1月1日時点の状況を尋ねた。

 前回統一選があった2015年以降、県内で定数が減ったのは9市町議会。削減理由(複数回答)について、アンケートでは「財政が苦しい」(島原市など4議会)、「近隣自治体の動きに合わせた」(雲仙市など4議会)との回答が目立った。

 最も大きく定数を減らしたのは長与町議会。20から16に減った。きっかけは11年4月の町議選の無投票。町民から定数削減を求める声が上がり、改選後の議会で削減幅が議論されたが、方向性を出せずに終了。これに反発した町民グループが、定数を20から16に減らす条例改正案を町議会に提出するよう町長に求め、12年10月に改正案が賛成多数で可決された。議会事務局の担当者は「これを機に開かれた議会への改革も一気に進み始めた」と話す。

自治体で幅が大きく 議員報酬

 議員報酬(月額)は県議が80万円に対し、市議会は60万~40万円台と幅があり、町議会は20万円台前後。4年前に比べて報酬額の増減があったのは3議会で、対馬市議会は3万2千円増やし、五島市議会は2万3500円、雲仙市議会は6千円をそれぞれ減らした。

 全国平均と比べると、県議会は都道府県・指定市議会の平均(80万8255円)並み。一般市・特別区議会の全国平均(41万2488円)を上回っているのは長崎、佐世保の2市議会、町議会では東彼杵、小値賀両町を除く6議会が全国平均(21万4592円)を上回っていた。

 政策立案のための政務活動費は県議会と12市町議会で支給されている。

 最も手厚いのは県議会で月額30万円。ただし、過去4年間に議員提案で制定した政策的な条例は、地元の酒で乾杯を呼びかける「乾杯条例」のみ。21市町議会は、議員提案の政策的条例制定は一つもなかった。

 交通費などの費用弁償を支給しているのは県議会と13市町議会。

 県議会では、住所地から県庁までの距離が50キロ以上の場合、1泊1万円の宿泊費などを費用弁償として支給しているが、長崎市内のマンションに宿泊せずに50キロ未満の家族宅から通ったり、アパートの家賃を政党支部の経費で支払っていたりした不正が昨年、発覚。これを受けて、議員の住所地は議会会期中を除く最も多く滞在する場所にするといった運用に見直し、4月の改選後から適用する。

動画の配信半数以上 公開度

 県議会と15市町議会がケーブルテレビやインターネットなどで議会の動画を配信していると回答。西海市も3月から始めた。

 インターネットでの議事録の公開は17市町議会が「本会議のみ」と答えた。分野別に掘り下げて議論する委員会の議事録は公開されていない。

 住民と意見交換の場を設けているのは10市町議会。小値賀町議会では議会報告会を17カ所で開いたり、「議会と語ろう会」で各種団体と意見交換したりしている。

 東彼杵町議会は地域に意見交換会の開催を呼びかけているが、「申し込みがない」(議会事務局)。松浦や雲仙、南島原の各市議会では「やった方がいい」という声が上がっているという。

首長議案 修正・否決なし8議会

 議会の大きな役割の一つが首長が出した議案が適切かどうかをチェックすること。この4年間、首長の議案を修正も否決もしなかった議会は県議会や佐世保市議会など8議会あった。

 県議会では、4年間で中村法道知事が出した計646議案(専決処分や決算認定などを含む)を議論。テーマごとに議案を審査する総務委員会や文教厚生委員会などの各委員会では、政策効果や予算配分などについて県議から厳しい意見も出るが、本会議では賛成多数で可決されてきた。

 ある自民党県議は「党の要望が議案に盛り込まれているか事前に確認するし、納得のいかない議案は引っ込めさせることもある。知事提案が素通りしているわけではない」と説明する。

 国民民主党の県議は「悪い議案を通したつもりはない」としつつ、「委員会での議論が十分だったのか、と反省することもある」。委員会では進行の混乱を避けてか発言しない議員もいるといい、「議員の意識改革が必要だ」と指摘する。