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【まとめて読む】患者を生きる・食べる「アカラシア」

 愛知県の女性(46)は長年、食べたものが胃に入っていかない原因不明の症状に苦しめられてきました。まるで、ぎゅうぎゅうにつまった真空パックの袋に、無理やりものを詰め込もうとするようでした。「アカラシア」という耳慣れない名前の病気でした。

 

水すら飲めない 「異常」克明にメモした

 職場の予定、二人の子どもの習い事、会社員の夫(50)の仕事のこと――。愛知県に住む女性(46)は自称「メモ魔」だ。なんでも手帳の余白にペンで書き留める。そこに「夜中に胸やけで目覚めて眠れず」「胃痛に悩まされる」といった、体の不調に関する記述が現れたのは約9年前からだ。

 食事が思うように食べられなくなった。胃に入っていかない。空気を抜いた真空パックの袋に、無理やり物を詰め込むようだった。ジャンプしたり歩いたりしてもだめだが、時間がたつと少しずつ、食道を食べ物や飲み物が通るようになった。「開通した」。そう言って喜んだ。

 状態がひどい時は食べたり飲んだりしたものがまったく胃に入らず、戻してしまうこともあった。ただ、吐いても胃液や血は混じっておらず、気持ち悪くはなかった。近所の病院の内科で検査を受けたが、目に見える異常は見つからない。「逆流性食道炎ではないか」とのみ薬を出された。効き目は感じられなかった。

 そのうち、胸やけを感じて眠れなかったり、朝から食事抜きで仕事に行かざるをえなかったりする日が出てきた。拒食症や食道がんなども疑い、複数の病院を受診したが「病気ではない」と言われるばかり。「病気を治してくれる医者はいないのでは」。女性は絶望しかけていた。

 

 2017年。症状がひどく、水ものどを通らない状態が続いた。体重が症状を感じる前より約7キロ減った。長男(15)や次男(12)に「死んでしまうんじゃない」と心配された。女性も「命にかかわる病気だったらどうしよう」と不安になり、それまで行ったことがなかった近くの病院に向かった。

 年の瀬も押し迫った同年12月27日。診察室で検査結果を前に、診断に迷った様子の医師が告げた。「そういえば、アカラシアという病気もあるんだけどね」

 当時、詳しい説明はなかった。食道の下部にある、胃の入り口の筋肉が緩まなくなり、飲食物が通らない珍しい病気だとは、後で知った。「食道アカラシア」とも言われる。女性は半信半疑だったが、精密検査を受けることにした。

診断はアカラシア 戸惑う妻に夫は手術勧めた

 食べ物や飲み物がほとんど食道を通らない日が続いた、愛知県内の女性(46)は2017年末、受診した病院で初めて「アカラシア」という病名を知った。

 原因は分からないが、食道の下部、胃の入り口の筋肉に運動障害が起きて食道が狭くなり、食べ物や飲み物が詰まってしまう珍しい病気だ。

 不快感を感じたり、戻したりすることもある。ただ、食道がんや胃がんのように、命にかかわる病気ではないと医師から説明を受けた。少し安心したせいか、その夜から、時間をおけば少しずつ食事がとれるようになった。

 紹介状を書いてもらい、県内の…

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