ワイン生産さかんなゴラン高原、なぜ係争の地に

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鈴木拓也
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 イスラエルの完全な主権を認める時が来た――。トランプ米大統領がツイッターでつぶやいた、イスラエル占領地の「ゴラン高原」。国際社会が見守ってきたこの係争の地は、どんなところなのでしょうか。敵対する国家同士が銃口を向け合い、血を流し合うほど価値のある場所なのでしょうか。東京外国語大教授で現代シリア政治が専門の青山弘之さんに聞きました。

 ――ゴラン高原はどんなところなのですか。

 シリア南西部からイスラエル北部のガリラヤ湖畔に広がる標高約千メートルの高地です。面積は約1800平方キロで香川県ほどの大きさです。地中海性気候で肥沃(ひよく)な土地が広がり、かんきつ類の生産に適しています。現在はイスラエルのユダヤ人入植者によるワインの生産が盛んです。この地には、先住のドルーズ派の人々も住んでいます。

 農業国でありながら国土に乾燥地帯が多いシリアにとっても、経済的にとても重要な地域なのです。

 ――軍事的にも要衝なのでしょうか。

 はい。シリアの首都ダマスカ…

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