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(24日、選抜高校野球 習志野8―2日章学園)

 集中力は切れない。四回、中飛を打ち上げてもあきらめず、走った。中堅手が落球するや、すかさず二塁へ。さらに、捕手からの牽制(けんせい)球がヘルメットに当たると(記録は捕手の悪送球)スイッチが入った。

 左翼へ球が転がる様子を見て「迷わず狙った」。勢いよく三塁を回り、ヘッドスライディングで生還した。どんな時も塁に出て前へ、前へ――。この心がけは先日引退したスーパースターから学んだことだ。

 「イチローさんを尊敬しています。目標です」。同じ左打ちの外野手。こんな選手になりたいと思い続けてきた。ぼてぼてのゴロでも安打を狙って全力疾走する姿、そして、2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一をつかむ決勝打を放った勝負強さ。すべてがかっこいいと感じる。

 この日は一回に先制打を放つなど左右に3安打。打って走って存在感を示した。「甲子園で、自分がめざしてきたことが少しはできたかな」。憧れの人にちょっと近づけた気がした。(辻隆徳)