[PR]

(24日、選抜高校野球1回戦 明豊13―5横浜)

 短い春だった。最速153キロを誇り、大会ナンバーワン左腕といわれた横浜の及川(およかわ)雅貴(3年)が初戦で散った。

 4点リードの三回、突如乱れた。直球が指に引っかかったかのように低めに外れ、先頭打者から2連続四球を与えた。犠打を挟んでの3連打に失策も絡んで追いつかれた。得意のスライダーも打たれた。さらに2死二塁から暴投と内野安打で勝ち越しを許し、降板を告げられた。

 「自分の持ち味であるまっすぐを、投げるべき場所に投げられなかった。試合のなかで波が出てしまうもろさを改善できていなかった」。そう唇をかんだ。

 昨夏の甲子園、先発した2回戦の花咲徳栄(とくはる、北埼玉)戦は七回途中まで投げ、被安打7、4四死球、4失点。昨秋の関東大会でも準々決勝の春日部共栄(埼玉)戦で3連続四球に本塁打2本などで三回途中までに5失点。チームは2―9でコールド負けした。

 安定感が課題と自覚し、冬の間にフォームの改善などに取り組んできた。しかし、「まだ固まりきっていなかった。メンタル面にも課題があると思う」と及川。

 初めてエースナンバーを背負った甲子園のマウンドだったが、立てた時間は短く、ほろ苦い思いが残った。平田徹監督は「あれだけの逸材。時間をかけてでも、勝てる投手に成長させないといけない」と語った。

 一回、146キロの球速表示に4万1千人が入った球場は大きくどよめいた。多くの高校野球ファンが、この逸材のこれからを楽しみにしている。(竹田竜世)

     ◇

 ●平田監督(横) 「4点を先行したのに流れをものにできなかった。及川は、制球が乱れる悪い部分が出てしまった」