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 地方選でも、選挙公報や候補者のSNSを見れば、情報はそれなりにある。でも、きちんと判断するには、やっぱり物足りない。そんな悩みを解決する方法はないものか。

 「議員が何に興味を持ち、力を入れているか、簡単にわかるようにしたい」

 木村泰知・小樽商科大教授(情報工学)らは地方議会の議事録を分析し、ウェブサイト「地方議会会議録コーパスプロジェクト」(http://local-politics.jp/別ウインドウで開きます)で公開。47都道府県の知事・議員、東京23区の議員の情報を掲載し、今後、対象の拡大も検討している。昨年から投票の判断材料を提供するサイト「政治山」(https://seijiyama.jp/別ウインドウで開きます)と連携。政治山でも順次見られるようになっている。

 議員が議会の本会議で使った言葉を分析し、他の議員があまり使わない単語は高得点、「予算」といった誰でも使う単語は低い得点として集計する。議員ごとに単語の順位を付け、上位のものをその議員の「特徴語」として紹介している。

 プロジェクトで東京都中央区議会を調べてみた。議員の名前と特徴語が一覧で表示される。「日本語指導」「外国人児童・生徒」など在日外国人の教育関連の発言が多い人もいれば、「電子図書館」などITへの関心が見える人もいる。

 区議会のホームページで、ある議員の議事録を検索すると、昨年分だけで10本以上が出てくる。議員を比較したり、投票先を1人に絞り込んだりしようとすると、読む量が膨大だ。政治山やコーパスプロジェクトを使うとわかりやすい。

 政治山を運営するベンチャー企業「VOTE FOR」の市ノ澤充社長(42)は「真面目に議会活動に取り組む人を評価するきっかけになれば」と期待する。

 政治参加を呼びかける人たちは、投票先選びで大切なのは「自分の関心ごと」を見定めることだと言う。では、その見つけ方は。

 若者と政治をつなぐNPO法人「ユースクリエイト」の菅将大さん(24)は、高校の授業で使う方法を教えてくれた。

 まず関心ごとを一つ、紙に書く。たとえば、「アルバイト」。その周りに選んだ理由やほかに連想することを書き足す。「ブラックバイト」「時給」「雇用」といった感じだ。「掘り下げていけば、日常の中に政治があると感じるきっかけになります」と菅さん。

 これらをどう政治にぶつけるか。

 政治家たちと公開で議論できるスマートフォンのアプリ「PoliPoli」も登場した。

 たとえば東京都渋谷区の利用者が「満員電車がストレスすぎる」と投稿すると、全国の利用者から「満員の時間に値上げすれば」「始業時間をずらす試みを」と次々に提案が届く。

 アプリには政治家も実名で参加。議員が、性的少数者へのサポート施策について問いかけると、利用者から「トイレについて考えてみるのは?」「多様な性にまつわる防災ガイドラインの制定」などと返ってきた。参加した議員は議会での発言につなげた。

 運営会社によると、1月に本格的な利用が始まり、利用者は3月末時点で1万人超。300人以上の政治家が登録している。伊藤和真代表(20)は「街を良くすることが政治の本質。政治家が解決に動き、課題に真剣に取り組む議員を有権者が選べるようになればいい」と話す。(荻原千明)