拡大する写真・図版 抽象的な図柄が次々に投影され、巨大な顔のような模様が浮かび上がった鶴田ダム=2019年3月22日、鹿児島県さつま町神子

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 重力式コンクリートダムでは九州随一の威容を誇る鶴田ダム(さつま町)で22日夜、高さ117・5メートル、最大幅450メートルの本体壁面をデジタルアートで彩るイベントがあり、約1500人がカラフルなダムの夜景を楽しんだ。

 伊佐市からさつま町にかけての川内川流域で地域づくりに取り組むDMO(観光地経営組織)「やさしいまち」が、鶴田ダムの再開発事業完了を記念して企画。空間照明アートで国際的に活躍している長谷川章さん(71)による「デジタル掛け軸」が鶴田ダムに投影された。刻々と変わる映像をまとったダムは、幻想的な姿を夜空に浮かび上がらせた。

 正面からダムを一望できる場所には写真愛好家らがカメラの放列をつくり、肉眼よりも鮮やかにとらえられる映像美を楽しんだ。ダム本体を間近に見上げるスペースも開放され、家族連れや若者グループは、プロジェクターが放つ光の中に飛び込んで壁に映る自分の影で遊んだり、まだら模様の光を浴びながら記念写真を撮ったり。暗闇のあちこちから「すごい」「やばい」といった歓声が聞かれ、子供から高齢者までデジタルアートを楽しんだ。

 前夜の試写では映像が見えにくかったため、セッティングを全面的に変更する作業が深夜まで続いた。「やさしいまち」の坂元正照社長(73)は観客の反応に手応えを感じた様子で「今度するときは音楽と組み合わせるようなことも考えたい」と話していた。(城戸康秀)