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 千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害され、遺体で見つかってから、26日で2年になる。両親はつらい記憶に苦しみ、ベトナムと日本で離れて暮らすことが増えた。元保護者会長が有罪判決を受けた事件は、地域にも大きな傷痕を残している。

 「家族と一緒にベトナムに帰ることも考えた。でもリンちゃんのために、裁判が終わるまでは帰れない」 父のレェ・アイン・ハオさん(36)は松戸市の自宅で、言葉を絞り出した。命日の数日前。居間の祭壇には、ハオさんにおんぶされて笑うリンさんの写真や大好きだったピンク色の花が飾られていた。

 事件は幸せだった家族を引き裂いた。母のグエン・ティ・グエンさん(32)は、事件のことを思い出さないようにと、長男(5)と一緒に日本を離れ、ベトナムで過ごす時間が長くなった。2人が松戸に滞在するのは3カ月に1度ほどになったという。

 「子どもたちが同じ学校に通って、落ち着いて生活できるように」。そんな思いで購入した2階建ての中古住宅でハオさんは、ほとんどの時間を独りで過ごす。「小さな幸せのためにこの家を買ったのに、自分のしたことは間違いだったかもしれない」と涙を浮かべた。

 何が起きたのか知りたい。犯人に極刑を――。そんな署名活動を続けてきたハオさんにとって、渋谷恭正被告(47)に無期懲役を言い渡した昨年7月の千葉地裁の判決は、受け入れがたいものだった。

 判決後には署名を呼びかけるホームページも作った。仕事以外の時間は全て署名活動にあて、この3カ月は1日も休んでいないという。「署名をしても、その通りにならないかもしれないことは分かっている。でも、私にはこれしかできない。リンちゃんのために何もできないなら、もう生きていけない」と声を詰まらせた。控訴審の公判期日はまだ決まっていない。

 「本当に疲れました。この2年間、何も変わらない。もう限界です」。ハオさんは訴える。「リンちゃんに会いたい」。ハオさんはそう願いながら、今も自宅の祭壇に「リンちゃんの分」と、一杯のごはんを供え続けている。

■「大人とすれ違うのが…

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