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 買収交渉中の会社の営業秘密約1800件を不正取得したとして、警視庁はジャスダック上場のOA機器販売会社「No.(ナンバー)1(ワン)」(東京都千代田区)の取締役の男(47)と社員の男(43)を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。2人とも容疑を認めているという。

 捜査関係者によると、2人は2016年3月ごろ、M&A(企業合併・買収)の交渉を進めていた都内のソフトウェア販売会社の顧客の契約内容やリース金額など約1800件の営業秘密を同社の同意を得ずにデータ化し、複製した疑いがある。送検は22日付。

 ホームページによると、No.1の従業員数は435人で年商77億円(昨年2月末時点)。ソフトウェア販売会社の70代の男性社長によると、同社は社員数人規模で後継者がおらず、条件が合うNo.1と秘密保持契約を結び買収を前提に交渉していた。16年1月、取締役から顧客名簿を求められコピーしない約束で紙に印字されたものを預けたが、同年3月、交渉打ち切りを告げられたうえ名簿がデータ化されていたことがわかったとして丸の内署に相談していた。社長は「長年勤めてくれた社員の将来なども考えたうえでの交渉だった。裏切られ、許せない」と話した。

 調べに対し、取締役は「顧客の査定をしたかった。量が多く、データ化した方がいいと思った」、社員は「取締役に指示された」と述べているという。

 No.1の広報担当者は「不正競争防止法違反には当たらないと考えているが、捜査には全面的に協力していく」と話している。