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 京都大学は26日、理学研究科の林愛明(りんあいめい)教授(地震地質学)が2016年10月に発表した熊本地震に関する論文に、改ざんや盗用があったとの調査結果を発表した。論文は米科学誌サイエンスに掲載され、四つの図についてデータの改ざんや盗用が認められたという。京大は林教授に対して、論文を撤回するよう勧告した。今後、処分を行う予定。

 論文は、熊本地震を引き起こした断層のずれが、阿蘇山の直下にあるマグマだまりによって妨げられた可能性があるとの内容。もしマグマだまりがなければ、被害がより広範囲になった恐れがあると分析していた。

 京大によると、17年8月、大学の通報窓口に「論文の図表には見過ごすことのできない多数のミスが散見される」として、データの改ざんを疑う内容の通報が寄せられた。

 その後、外部委員を含む調査委員会を立ち上げ、調査を進めていた。

 林教授は、防災科学技術研究所や東京大学の研究者が作製した断層の動きを示した図などを、自らの主張を裏付けるデータとして使っていた。しかし、引用した図の向きを変える過程で、元の図を正しく反映しないなどの改変があったと認定した。

 林教授は調査委に対し、四つの図が間違っていることは認めたが、「論文の結論は間違っていない」と話しているという。

 一連の不正行為について調査委は「故意に行われたものかどうかは判断できなかった」としている。また、論文の共著者については、不正行為への関与はなかったと認定した。

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 朝日新聞は2016年10月21日付の大阪本社版夕刊総合2面、同年10月22日付の西部本社版朝刊社会面および朝日新聞デジタルで、この論文を紹介する記事を掲載しました。京都大の発表を受け、おわびして記事を削除します。