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 東京電力福島第一原発事故で全町民約1万人が避難している福島県大熊町の避難指示について、政府の原子力災害現地対策本部は26日、帰還困難区域以外の避難指示を4月10日に解除する方針を町側に示した。町は合意し、解除日程が決まった。原発事故から8年を経て、第一原発立地自治体の避難指示が初めて解除される。

 解除対象は、町西側の大川原地区(居住制限区域)と中屋敷地区(避難指示解除準備区域)。町面積の約4割を占め、町民の約4%、138世帯367人(2月末現在)が住民登録している。

 この日、原子力災害現地対策本部の磯崎仁彦経済産業副大臣が福島県会津若松市の大熊町仮役場を訪れ、渡辺利綱町長と会談。放射線量が下がっていることなどを理由に4月10日に解除する方針を伝えた。渡辺町長は会談後の記者会見で、「復興を加速するためには一日も早い避難指示解除が重要だ。一部区域の解除だが、これを呼び水として復興に弾みをつけていきたい」と話した。

 町は現在、大川原地区に新庁舎を建設中で、4月14日に開庁式を行い、5月7日から一般業務を再開する予定。避難指示解除後、帰還住民約500人に加え、東電社員ら新住民約900人を主に大川原地区に呼び込む計画を描く。

 また、帰還困難区域に指定されている町中心部は特定復興再生拠点として除染・整備を進めており、町は2022年春の避難指示解除を目指す。

 町内では第一原発の廃炉作業が続くほか、除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設も進んでおり、昨年、町などが実施した住民意向調査(速報版)では「戻りたい」が約1割、「戻らない」が約6割だった。(三浦英之、石塚大樹)