国際規範に背いた米国、傷つく威信 イスラエルを正当化

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ワシントン=杉山正 イスタンブール=其山史晃
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 トランプ米大統領は25日、イスラエルが1967年の第3次中東戦争シリアから奪って占領を続けるゴラン高原をめぐり、イスラエルの主権を正式に承認する文書に署名した。国連安全保障理事会の決議に反する行為で、国連報道官は「ゴラン高原の地位は変わらない」と強調。中東のアラブ諸国はトランプ氏の決定を一斉に非難した。

 歴代米政権はイスラエルの占領を非難し、主権を認めてこなかった。ホワイトハウスでの署名式で、トランプ氏は「数十年という長い時間が(承認までに)かかった」と「成果」を強調した。イスラエルのネタニヤフ首相は承認を「歴史的」とし「両国はかつてない絆で結ばれている」と持ち上げた。

 文書では「外部の脅威から防衛するために、イスラエルはゴラン高原の支配権を握った」と52年前の占領自体を正当化。さらに、ゴラン高原がテロ組織やイランによるイスラエル攻撃の拠点になる可能性を強調し、「イスラエルの主権を認めることは適切だ」として主権承認を宣言した。

 国連安保理は67年の決議でイスラエルに占領地からの撤退を求め、「戦争による領土拡大を認めない」と強調した。81年にイスラエルがゴラン高原を併合すると、同年の決議で併合を「無効であり、国際的に法的効力はない」と断じた。トランプ氏の主権承認は、決議に明確に反することになる。

 シリアとの関係だけではなく、決議はアラブ諸国とイスラエルが和平を進める基本になっている。米国の中立性や信頼を著しく損なうほか、中東地域の緊張を高めることになる。

 国連のデュジャリック報道官…

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