[PR]

 法務省が27日に発表した2018年の難民認定者は42人で、前年の20人より増えた。ただ難民支援団体の関係者は「依然として十分ではない」とみている。

 昨年の難民認定者を国籍別で見ると、最多はコンゴ民主共和国の13人。イエメン、エチオピアの5人、アフガニスタン、中国の4人などとなっている。一方、申請者はネパール、スリランカ、カンボジア、フィリピン、パキスタンの上位5カ国で全体の55%を占める。法務省は、アフガニスタンやシリアなど世界で多く難民を出している上位5カ国からの申請者が日本では計50人にとどまるとして、「我が国の申請者の多くが、大量の難民・避難民を生じさせるような事情がない国々からの申請者」としている。

 こうした状況に対し、NPO法人「難民支援協会」(東京都千代田区)の石川えり代表理事は、認定者が前年より増えたことを「歓迎したい」としつつも、「年間で約600人の相談を受けている私たちの経験に基づくと、42人という人数は依然として十分ではない」と訴える。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計によると、17年に主要7カ国(G7)で最も多く難民認定したのはドイツで14万人超。日本は20人で、次に少ないイタリアの5895人と比べても大きく差が開いた。国連人種差別撤廃委員会は、昨年9月の日本に関する報告書の所見で、難民申請の受け入れ率について「非常に低いことを懸念している」と表明した。

 法務省の判断を、裁判所が覆す事例もある。東京地裁は昨年8月、難民申請が認められなかったことを不服としてエチオピア人女性が国を相手に起こしていた訴訟で不認定処分を取り消す判決を下した。

 女性は08年、エチオピアで女性の権利擁護の団体からの脱退を求めた地元警察の命令を拒んで拘束され、性的暴行を受けた。保釈された翌月に来日して難民申請をしたが、11年に不認定処分を受け、不服申し立ても退けられたという。女性は自身の指名手配書を提出したが主張は通らず、訴訟を起こした。申請からこの判決まで10年かかった。

 石川さんは「難民であることの立証責任が、日本では過度に申請者側に求められる。審査基準を国際レベルにすることや、申請者の生活保障など、保護の観点から対応を見直してほしい」と話した。