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 岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏、入所者の男女5人が相次いで死傷した事件で、うち2人の死傷に関与したとして、元職員の小鳥(おどり)剛容疑者(33)が最初に逮捕されて2カ月がたった。残る3人について岐阜県警は、事件性や小鳥被告の関与の有無を調べているが、捜査は難航しているようだ。一方、傷害致死罪などで起訴された小鳥被告は事件への関与を一貫して否定している。

 小鳥被告が最初に逮捕されたのは2月3日。入所者の横山秀子さん(当時91)=17年10月に老衰のため死亡=への傷害容疑だった。さらに、県警は同24日に中江幸子さん(同87)への傷害致死容疑で再逮捕した。

 5人の死傷について県警は、けがの状態や発生時期が近接していることなどから、いずれも事件と判断。殺人事件などを担当する県警捜査1課を中心に約60人態勢の捜査本部を置き、本格的な解明を進めてきた。

 施設という閉ざされた空間で、さらに被害者が認知症を患っているという状況で、事実関係の裏付けは容易ではなかった。施設内に監視カメラはあるが、犯行状況は記録されておらず、職員や入所者の決定的な目撃証言も得られなかった。そうしたなか、施設職員らに聞き取りを重ねることで、5人全員に異変が見られた当日に介護に関わっていた職員は、小鳥被告だけだったと判断。2人に暴行することができたのは、小鳥被告の他にいないとして捜査を進めてきた。

 当初、県警は残る3人の死傷についても、こうした捜査手法などにより解明できる可能性があるとしていた。ところが捜査を進めると、立件した2件との間に大きな壁が立ちはだかっていることが明らかになっていった。

 一連の死傷事件で17年7月3…

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