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 英国のメイ首相が27日夕(日本時間28日未明)、欧州連合(EU)から離脱した後に辞任する意向を、与党・保守党議員の前で表明した。離脱をめぐる議論が行き詰まるなか、メイ氏は党首と首相の座を譲る約束と引き換えに、自身の離脱協定案を支持するよう、所属議員に呼びかけた。メイ氏は週内に協定案が可決されることを目指している。

 メイ氏は、保守党議員が集まる非公開の集会で演説。英首相官邸によると、協定案を英議会で可決させてEUを離脱したら、離脱後に必要になる通商協定など、次の段階の交渉は、後任のリーダーに任せる意向を示したという。

 メイ政権は昨年11月、離脱条件を定めた協定案についてEUと合意した。だが、協定案には、英領北アイルランドと地続きのアイルランド共和国との間に物理的な国境をつくらないため、他に解決策がない限り英国がEUの関税ルールに従い続けねばならないという規定があり、EUからの「主権回復」を重視する保守党内の強硬離脱派らが反発。英議会での採決では2度、大差で否決された。メイ氏は今週中にも3度目の採決をめざしているが、多数派工作は難航していた。

 ただ、行き詰まりが長引き、離脱を長期に延期せざるをえなくなることを恐れた強硬離脱派が、ここにきて態度を軟化させている。離脱の長期延期よりは早く確実に離脱できた方がいいと、メイ氏の協定案支持に回る可能性を示唆するようになっていた。党内からは、メイ氏が近く辞任する意向を明確にすれば、一定数が協定案支持に回るとの予測が出ていた。

 英国のEU離脱予定日は当初3月29日だったが、英議会の議論がまとまらず、少なくとも4月12日まで延期されることが決まっている。(ロンドン=下司佳代子)