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【アピタル+】患者を生きる・食べる「ドライマウス」(シェーグレン症候群)

 口や目の乾燥、関節の痛みといった症状が出るシェーグレン症候群。国内に7万人の患者がいるとされていますが、潜在的な患者も多いと考えられています。病気が起きる仕組みや治療について、筑波大医学医療系内科(膠原病(こうげんびょう)・リウマチ・アレルギー)の住田孝之教授に聞きました。

 ――どのようにして起こる病気ですか。

 免疫の異常による病気だと考えられています。免疫は、外から来る細菌やウイルスなどの感染症に対して体を守る働きをしています。それがなんらかの原因で、自分の体に対して攻撃をしてしまうのが自己免疫疾患です。

 シェーグレン症候群の場合には、主に唾液(だえき)腺、涙腺が攻撃の標的になり、唾液腺や涙腺が壊れて、唾液や涙が出なくなります。この病気が厄介なのは、唾液腺や涙腺だけでなく全身の臓器も攻撃の標的となることです。

 ――どんな症状が出ますか。

 主な症状は口や目の乾燥で、虫歯が増えたり食べ物がのみ込みにくくなったりします。ドライアイで目が傷つくこともあります。全身に多彩な症状が出る方もいます。関節リウマチに似た関節炎やリンパ節の腫れ、間質性肺炎になる場合があります。

 ――何が原因なのですか。

 原因はわかっていませんが、細菌やウイルスなどの感染症にまずかかることが知られています。これが自己免疫疾患の引き金になるようです。また、中年の女性に多い病気であることから、ホルモンバランスの変化や加齢などが誘因としてあげられています。

 ――どのようにして診断をしますか。

 この病気に特異的な自己抗体があり、診断基準の一つになっています。異常があるかどうかは、血液検査をするとわかります。ほかに、唾液や涙の量、唾液腺組織の検査などもします。

 ――どのように治療しますか。

 残念ながら根治する方法はまだありません。乾燥症状を和らげて生活の質を高めるための対症療法が中心です。唾液の分泌を増やす薬もあります。ドライアイには目薬を使います。

 全身の臓器に表れる症状に対しては、ステロイドや免疫抑制薬による治療が中心となります。最近は根治をめざし、免疫に関わるT細胞やB細胞などを標的とした生物学的製剤を用いた臨床治験が世界で進められています。

 ――どんな症状が表れたら受診すべきですか。

 「三大症状」と言われるドライマウスとドライアイ、関節の痛みがある時は、眼科や歯科、内科や整形外科などそれぞれの診療科を受診しましょう。検査でシェーグレン症候群が疑われた場合には、膠原病やリウマチの専門医を受診することが望ましいです。

 はっきりとした三大症状が認められなくても、体の調子が悪い、だるいといった症状が最初に表れることもあります。その場合は、更年期症状などと決めつけないで、医療機関で血液検査をすることが早期発見に結びつきます。

◇ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comメールするへお寄せください。

<アピタル:患者を生きる・食べる>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(聞き手・松本千聖)