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経済インサイド

 防衛省生え抜きの事務次官の多くが、保険会社や銀行といった金融機関に再就職していることがわかった。一見縁遠そうな防衛と金融にいったいどんなつながりがあるのか。調べてみると、全国に数多い自衛隊員向けに商品を売り込みたい金融機関のある「思惑」が見えてきた。こうした天下りに問題はないのだろうか。

生え抜き次官6人中4人が金融機関へ

 1954年発足の防衛庁は2007年に防衛省に昇格。その後の次官経験者7人のうち生え抜きは6人。うち4人が金融機関の顧問に再就職した。残る2人は逮捕者と直近の退任者だ。

 増田好平氏は明治安田生命保険の特別顧問、西正典氏は日本生命保険の特別顧問を務め、黒江哲郎氏は三井住友海上火災保険の顧問だ。金沢博範氏はみずほ銀行の顧問。これらは、いずれも防衛省共済組合(組合員数約26万人)と密接な関係先にある。

 日生と明治安田は組合員向け団体生命保険の幹事社。日生は団体医療保険の幹事社でもある。三井住友海上は団体傷害保険の幹事社。みずほ銀は組合員向けローンなどを提供している。なかでも保険各社が防衛省共済組合で提供する団体保険には多くの自衛隊員が加入し、幹事会社には多額の保険料が入ってくる。

 加えて、次官の再就職と時期を前後して、共済組合での取扱商品が増えたり幹事社が変わったりするなど処遇がよくなる例もめだつ。

 たとえば共済組合は17年3月、団体傷害保険の一種でPKO保険の保険料の一部助成を決めた。決定時の次官だった黒江氏は18年1月、団体傷害保険の幹事社である三井住友海上の顧問になった。

 団体医療保険では3大疾病特約の提供が16年度中に内定した。15年10月まで次官だった西氏は、16年3月から団体医療保険の幹事社の日生の特別顧問を務める。

 明治安田は09年10月に団体生命保険の幹事社となることが決まった。増田氏は09年8月まで次官で、10年7月から明治安田の特別顧問を務める。

法律では禁じられていないが…

 防衛次官の再就職は、在任中に利害関係先へ求職活動することなどは自衛隊法で禁じられているが、退任後なら法的な問題はない。増田氏の場合は15年の法改正前で、離職後2年間は契約業務などに携わった関連企業への再就職は禁止だったが、明治安田への再就職は「保険は隊員との個別契約」などとして問題ないとされたという。

 防衛省と団体保険の幹事各社は、共済組合での商品提供と再就職は「関係ない」と口をそろえた。

 黒江氏は取材に「(PKO保険の助成と再就職は)全く関係ない。疑念を抱かれるとは考えなかった」と回答した。西氏と増田氏は取材に応じなかった。

 みずほ銀もローン提供と次官の再就職は無関係とした。

 一連の再就職について、公務員制度に詳しい神戸学院大の中野雅至教授は「能力本位ではなく、元次官の有形無形の影響力を期待されて採用されたと疑われる。疑念を招く再就職自体、避けるべきだ」と指摘する。

保険会社の「思惑」とは

 保険会社が防衛次官を迎えるメ…

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