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 巨大地震が切迫しているとされる南海トラフ海域で、最大の目的である海底下の断層に迫ろうとした深部探査船「ちきゅう」が1日、半年にわたる航海を終えて帰港した。掘削は想定以上に困難で、断層に到達することはできなかったが、世界最深部から得た試料は、今後の研究につながりそうだ。

掘削難航、複雑な地層が原因?

 過去に繰り返し発生してきた、南海トラフ地震の発生メカニズムを探るため、海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」は2007年から紀伊半島の沖合で調査を始め、今回が13回目。海底下にあるフィリピン海プレートと、陸側のプレートの境界断層の周辺を掘削し、試料の採取や、観測機器の設置を続けてきた。

 今回の航海は、調査の「総仕上げ」と位置づけ、巨大地震発生の核心部となる深部の境界断層を掘り抜いて、試料などを得ることが最大の目標だった。掘削に選んだ場所は、1944年の「東南海地震」の震源とされる。断層は海底下約5200メートルだと考えられ、前回までに3058・5メートルまで掘り進めてあった。

 周囲は「付加体」という地質構造で、地層が複雑に曲がっている。穴の壁が崩れやすく、掘削は難航することが当初から予想されていた。世界中の最新技術と知見を集め、対策を立てて臨んだ。

 機構の倉本真一・研究プラットフォーム運用開発部門長は「巨大地震を発生させたことが知られ、(深部断層まで)掘削が見込める世界で最も浅い場所だ。10年以上議論して決めた」と説明する。

 それでも、掘削は予期しない事態に見舞われた。掘削は、ドリルで細い穴を開けた後、穴が崩れないようにパイプで保護しながら進める。だが、開けた穴にパイプが入らない例が多発。原因ははっきり分からないが、複雑な地層が原因とみられるという。

 こうしたトラブルに最後まで対処できず、前回から200メートル下の3262・5メートルで断念した。倉本さんは「深部断層の試料採取がかなわず、問題は残された。掘削に適する場所を再検討して、将来もう一度チャレンジする必要はある」と話す。

■3種の地質試料採取 今後…

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