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 福岡県飯塚市堀池の飯塚魚市場で30日朝、最後の競りがあった。山に囲まれた飯塚の魚食文化を支えてきたが、近年は取扱高が大幅に落ち込み、運営会社の「県魚市場」(福岡市)が撤退を決断。1970年の開設から49年の歴史に幕を下ろした。

 午前6時半。競りが始まる前に閉場のセレモニーがあった。片峯誠市長が「本日を迎えたことは沈痛な思い」。県魚市場の永井龍太郎社長は「不便とご迷惑をお掛けしたことに深くおわび申し上げます。約50年間お世話になったことに感謝しています」と述べた。買い受け人らでつくる飯塚水産物商業協同組合の永水米蔵理事長(68)の音頭で一本締めをした。

 最後の競りにはアジやヒラメ、アマダイ、コウイカなどが並んだ。かつては施設いっぱいに魚が並んでいたというが、買い受け人の男性(62)は「今は寂しいどころじゃない」。

 組合員らは4月1日から、福智町の筑豊魚市場を利用する。運営会社が魚市場撤退を説明した昨年1月には110を超えた組合員は、30日現在で80を切った。永水理事長も今月20日で30年続けてきた鮮魚店を閉めた。「市場に育ててもらった。感無量ですね」。競りに参加した嘉麻市の商店主(78)は「お客さんに店をやめたら困ると言われたので、これからも続けるけど、(筑豊魚市場は)遠いね」と語った。(垣花昌弘)