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新元号は「令和」

 〈作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(96)の話〉 新元号の発表をテレビで見ていました。令和は「れ」から始まり、響きがいい。「らりるれろ」が入っていると、言葉がきれいに聞こえる。令和と聞いたとき、きれいだなあと、いい印象を持ちました。今まで中国の古典からとっていたけど、今度は日本の万葉集からとって、それもいいことだと思います。

 私は大正11(1922)年5月15日生まれだから、令和になってすぐに97歳になります。大正、昭和、平成、令和と四つの元号を生きることになり、もうあきれるぐらいの長生きです。

 今までの平成がよかったのは、戦争がなかったこと。本当によかった。ただ、今の世の中の状態だと、新しい元号の時代に戦争が起きないか不安です。

 物心がついたころ、昭和のはじめは戦争でした。地元の徳島の女学校のとき、修学旅行で行ったのは満州でした。周りの男の人たちが戦争に行くと、おめでとうと旗をたてて喜んだ。提灯(ちょうちん)行列をしてお祝いした。でも、戦争で愛する人が死んでいく。そんな戦争が平成になくて幸せでした。

 これからの時代は、日本で暮らす外国人が増えてくる。日本だけ、日本人だけよければ、ではだめ。「人間」の幸せを考えなければいけない。

 世界の平和、世界の幸せ。令和がそんな時代になることを願っています。(聞き手・岡田匠)