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 3試合連続の逆転勝ち、残るは千葉県勢初の優勝だ――。第91回選抜高校野球大会第10日の2日、習志野は明豊(大分)を6―4で破り、初の決勝進出を決めた。初回に3失点したが、終盤に追い上げた。県勢の決勝進出は67回大会で準優勝した銚子商以来で24年ぶり。決勝は3日午後0時半からの予定で、東邦(愛知)と対戦する。

勝ち越しアーチ 主軸ほっと

 八回表、習志野の猛攻の口火を切ったのは先頭打者の4番・桜井亨佑(こうすけ)君(2年)だった。「自分が出塁してチャンスを作る」。絞った狙い球は直球だった。

 4球目。高めに浮いた直球が真ん中より少し内側に入った。得意な右投手の球に体が反応し、気づくとバットが出た。「芯をとらえた感覚があった」。打球は右翼席に吸い込まれた。

 バットは、小さい頃からそばにあった。保育園の年長から野球を始め、小学生の時に所属していた千葉ロッテのジュニアチームの監督に「どんなに時間がない日でも、バットに触るのを忘れるな」と言われた。家族で出かける時も必ず車にバットを積んだ。

 高校に入学後は毎朝5時半に起床。周りのレベルの高さに驚きつつ、「自分も追いつかなくては」と、素振りや打撃練習に励んだ。

 努力のかいあってか、桜井君は今大会、4番や5番を任されてきた。だが、準々決勝までの成績は3試合2安打。3月の練習試合で本塁打を放って以来、フォームが崩れてしまった。小林徹監督(56)にも「スイングが大きく、タイミングの取り方に影響している」と指摘されていた。

 準決勝の前日、フォームの修正を試みた。ともに中軸を務める高橋雅也君(2年)とスイングの様子を動画で撮影し合い、一緒に研究した。タイミングを確認し、コンパクトに打てるように心がけた。

 その結果、飛び出したのが八回の本塁打だった。その後、二死から仲間が三者連続で長短打を放ち、さらに2点を追加、勝利を手繰り寄せた。

 「自分の仕事が出来てほっとした」と安堵(あんど)する桜井君。決勝に向け、「ここまで来たからには優勝を目指し、油断せずに全員で頑張りたい」と気を引き締めた。(松山紫乃)