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 菅義偉官房長官による元号発表の予定時間だった1日午前11時半。首相官邸の記者会見場には各社の記者が詰めていたが、予定時刻を過ぎても菅氏は姿を見せなかった。

 元号を「令和」に改める政令を閣議決定した臨時閣議は、5分前には終わっていた。このころNHKは、政令を持つ職員を乗せた黒塗りの車が、首相官邸から皇居に向かう様子を空撮した映像を流し続けた。車は11時36分に皇居内の御所に到着。菅氏の会見は、予定より11分遅い11時41分から始まり、「新しい元号は『令和』であります」と発表した。この「空白の11分」が、今回の改元で、一つの象徴的な場面となりそうだ。

 政府関係者によると、臨時閣議の前に行った全閣僚会議で、新元号に対する意見が相次いだために、日程は全体的に当初予定より遅れていたという。そうしたなか菅氏は、閣議決定のあと、天皇陛下と皇太子さまに新元号が伝えられるのを待っていた。

 まず、閣議終了直後の11時26分、宮内庁長官室の電話が鳴った。杉田和博官房副長官が宮内庁の山本信一郎長官に「元号は『令和』、典拠は『万葉集』である。陛下と皇太子殿下にお伝え願いたい」と伝えた。

 山本長官は、皇太子さまのいる東宮御所で控えていた西村泰彦次長に電話で連絡。その後、山本長官から天皇陛下へ、西村次長から新天皇に即位する皇太子さまへ、「令和」が対面で伝えられ、11時40分までに山本長官と西村次長は杉田副長官に伝達の事実を電話で報告。菅氏はその1分後に、会見場で「令和」と墨書した額を掲げた。

 国民に発表する前に、天皇陛下と皇太子さまに新元号を伝えなければならない――。綿密なシミュレーションに沿った運びだった。

 元号は、天皇が時をも支配することを象徴した「天皇の元号」。保守派には、こうした主張が根強く残っている。戦後に象徴天皇となり、元号選定の手続きからも天皇は切り離されたはずだが、保守層から強い支持を受ける安倍政権にとって、一連の手続きで天皇に対する配慮は欠くことのできないものだった。

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