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 配偶者らへの暴力(DV)やストーカー事案などの増加傾向が続くなか、問題が大きくなる前に警察が介入したり、継続的にフォローしたりするのが当たり前になりつつある。愛知県警は対策を強化し、4月には専門課もつくった。一方、現場では課題も出ている。

 「検討会を始めます」。昨年12月下旬。愛知県警本部6階の部屋にDVやストーカー問題を扱う部署の幹部15人が集まる。平日朝に恒例となっている光景だ。24時間勤務を終えたばかりの班長の幹部警察官がこの間に対応した事案について報告を始めた。

 行方不明や夫婦げんかの報告を聞く幹部の顔色が変わった。ある男性の携帯電話に「奥さんと不倫している」と不審な電話がかかってきた、という事案が報告されたときのことだ。妻が警察の介入を拒み、これ以上の調査ができない状態だった。「妻は元交際相手と付き合いがないと言うが本当だろうか」「情報収集したほうがいい」。意見が飛び交った。警戒が必要そうな30件の事案が報告された。

 愛知県警ではストーカーやDV、児童や高齢者への虐待などを「人身安全対処事案」とする。該当しそうな事案を警察署が受け付けると、県警本部で24時間態勢で待機する「人身安全対処係」へ連絡をすることになっている。係は切迫性などをみて、対応方法を指示したり、場合によっては応援を派遣したりする。検討会は、署と係が処理した事案をさらに別の視点でチェックする役割を担う。

 県警は2014年度からこの態勢の運用を始めた。背景には、ストーカーなどの相談を警察が把握しながら、結果的に危害が加えられた事件が相次いだことがある。13年には東京都三鷹市で女子高校生が元交際相手の男に殺害された。事件後、警察庁は組織内で情報の一元管理などを指示し、全国の警察で組織改編や人員増強が進んだ。

 問題の認識が広がるなか、警察へのDVの相談は昨年、全国で約7万7千件で最多を更新、ストーカーの相談も2万件超で推移。愛知県警でも人身安全対処事案の数が増え、17年は14年の1・5倍にあたる1万6146件で、1日平均で44・2件対応した計算になる。県警は1班3人だった係を増員して13人態勢とし、3年前からは凶悪事件を担う捜査1課の幹部クラスを係の班長に置き、部門をまたいだ対応を進めている。

 危険が迫っているかどうかの見極めは難しい。「タイヤをパンクさせられた」「注文していないピザが届いた」。いたずらに見えても、背後にストーカーが存在している可能性もある。安全確保には多少、踏み込む必要もある。ある幹部は「民事不介入はもう死語です」と話す。

■週末の警察署、地道…

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