[PR]

(3日、選抜高校野球決勝 習志野―東邦)

 一回裏、東邦の石川昂弥(たかや)主将(3年)が先制の中越え2点本塁打を打つと、三塁側アルプス席にいた父尋貴(ひろたか)さん(47)は、メガホンでもみくちゃにされた。「打った瞬間に入ると思った。早めに先制点がほしい展開だったのでうれしかった」と喜んだ。

 東邦の応援を統率するのは野球部員たち。習志野のデータ分析役も買って出て、投手の配球や打球が飛ぶ方向を調べ、前夜のミーティングで伝えた。出発する際には「勝とうな」などと声をかけた。応援団長の山田斐祐将(ひゅうま)君(3年)は「応援の人数も増えて、選手の力になるはず。優勝が目の前にあるので、いつもより大きな声で応援したい」と話していた。

 東邦が30年前に平成最初の選抜大会で優勝した時のメンバーもスタンドで声援を送った。当時の3年生部員20人のうち、14人が集まった。

 マネジャーを務めていた袴田克彦さん(47)=愛知県津島市=は「平成最初と最後の優勝は、東邦にだけ与えられたチャンス。ドラマが実現しようとしている」と興奮しきり。主将だった山中竜美さん(47)=横浜市戸塚区=は「この場で応援できる機会をくれた選手に感謝したい。仲間を信じて、ぜひ勝ってほしい」と後輩へエールを送った。

 一塁側アルプス席は習志野のチームカラーのえんじ色に染まった。バトン部部長の長谷川歩沙(あゆさ)さん(3年)は「ここまで連れてきてもらって感謝の気持ちしかない。私たちも野球部から力をもらっているので、今までで一番の応援をしたい」。「美爆音」を掲げて演奏する吹奏楽部の部長で指揮を務める酒井悠歌(はるか)君(3年)は「選手の皆さんに思いが届くよう、ベストを尽くす」と意気込んだ。

 捕手兼子将太朗君(3年)の父で、保護者協力会の会長も務める博将さん(51)によると、今日は保護者や親族など約500人が来場。準決勝よりも200人近く増えたという。「ここまで来られたのは選手たちの努力の結果。スタンドにいる人たちの気持ちも一緒に、最後まで思い切り楽しんでほしい」と話していた。

 二回裏、左翼手の竹縄俊希君(3年)がフライをダイビングキャッチすると「よっしゃー!」「キャプテン!」と好守をたたえる歓声が飛んだ。竹縄君の母織子(しきこ)さん(48)は「やったー!」と声をあげて大喜び。「これで流れが来てくれれば。こんなにたくさんの応援が来てくれて、そんな中でメンバーとして出させてもらって幸せ」と笑顔を見せた。(高橋豪、高橋俊成)