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 一見してわかりにくい「生活のしづらさ」を抱える発達障害の人たちへの理解を深めようと、「発達障害啓発週間」が2日、全国で始まった。宮城県内でも、仙台城跡の伊達政宗騎馬像が運動のシンボルカラーである青色に照らし出された。

 発達障害者支援法では、自閉症や学習障害、注意欠陥多動性障害などの症状が低年齢で発現するものを発達障害と規定する。人口の1割が当てはまるとの研究もある。

 県内でも悩んでいる人は多い。発達障害に関する県への相談件数は、2017年度は1279件。こうした人たちへの支援を強化するため、県は7月から、県子ども総合センター(名取市)内に「発達障害者支援センター」を新設する。保健師や作業療法士、心理職員ら5人が、県内の保健師らの研修などを担う。県内で身近に支援を受けられる態勢づくりを目指す。

 2日は国連が定めた世界自閉症啓発デーでもある。ライトアップは啓発週間が終わる8日までで、日没から午後11時まで。全国では東京都庁や札幌市のテレビ塔なども青く照らされ、県内では石巻市の石ノ森萬画館でも実施される。

誰もが「みんなと同じ」ではない

 目立つ言動で誤解を受けやすい発達障害の人たち。特に学校生活では、理解不足から不登校や非行などにつながりかねない。学校や地域、家庭では何が求められるのか。

 東北大大学院教育学研究科の野口和人教授(発達障害学)は「障害があってもなくても、一人ひとりの良さを認める姿勢が大切だ」と強調する。

 県内の学校を巡回相談で訪れた際、授業中に突然、はさみで爪を切り始めた児童がいた。教師があわてて「危ない」と注意するとパニックになり、教室を駆け回った。児童の安全が第一だが、この場合は頭ごなしに叱るのではなく「どうしたの」と寄り添う声かけが必要だという。

 子供がいじめの理由にしたり、大人がそれを当然視したりしない姿勢も重要。仙台市立中2年生が自殺した問題では、「発達上の課題があり、からかいの対象になりやすかった」とした1度目の第三者委員会に対し、遺族が「いじめは我が子の責任なのか」と反発。2度目の第三者委員会は「いじめの要因として結びつける論理は正当化されるべきではない」と断じた。

 野口教授は、発達障害児への差別や偏見は今も「ないわけではないと思う」とした上で、「そもそも誰もが『みんなと同じ』ではない。一人ひとりがユニークなんです」と話す。(井上充昌)

主な発達障害とよく見られる状態

・自閉スペクトラム症

他人とのコミュニケーションが困難なため社会的関係がつくりにくく、想像力の乏しさとこだわりがある。言葉をそのまま受け取りがちで、暗黙の意味を捉えにくい

・ADHD(注意欠陥多動性障害)

集中力が途切れやすく、じっとしていることが苦手。思いついたことをよく考えずに行動に移す

・LD(学習障害)

聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する――の能力のうち、特定の習得に困難が見られる

※仙台市教育委員会の資料などから