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 長野県の阿部守一知事が2日、手話通訳を交えての定例会見を始めた。県は2016年に手話の普及を目指す条例を制定しており、聴覚障害者の要望も受けた。今後は通常週1回ある定例会見で続ける予定。緊急会見での導入については、未定という。

 この日の会見では手話通訳者が知事の横に立ち、知事が話した内容や記者の質問内容を手話で伝えた。県によると、通訳者はいずれも県庁や県内の各保健福祉事務所に勤める嘱託職員。計10人が交代で通訳する。知事会見の手話通訳は全国で11道県目という。

 県によると、身体障害者手帳を持つ聴覚障害者は県内で7859人(昨年3月末現在)。長野県では16年3月、手話を言語の一つとして普及させることを定めた「県手話言語条例」が成立・施行された。ただ、これまでの知事会見では、冒頭で阿部知事が手話であいさつをする程度だった。

 会見は動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」でライブ配信され、県のホームページでは過去の映像が見られる。阿部知事は会見で、聴覚障害者から「知事会見を手話で見られるようにしてほしい」と要請があったと説明し、「ちょっと遅かったと反省している。条例を作ったときにこういう形にすればよかった」などとした上で、「条例制定後、いろんな場面で手話に触れる機会が増えているが、円滑なコミュニケーションをできるレベルまで普及しているかというとそうではない。条例を実質化させる努力が必要」と話した。(大野択生)