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 宮城県内で、精神障害者がタクシー料金の割引を受けにくい状態に置かれている。タクシー事業者は身体・知的障害のある乗客には料金を1割引きしているが、精神障害者への割引認可を得ている事業者はゼロ。家族会は「なぜ精神障害者だけ対象外なのか」と反発する。

 総務省東北管区行政評価局によると、県内187事業者のうち、精神障害者への料金割引の認可を国から受けた事業者はない(2018年3月末時点)。福島県もゼロだ。認可を受けずに割引する事業者もいるとみられるが、実態は不明という。

 割引認可を得た事業者の割合は、山形県1・2%、岩手県7・2%など、東北6県全体では13・5%にとどまる。全国では20%程度だという。

 障害者のタクシー割引は1990年に始まった。障害者の自立と社会参加を進めるため、当時の運輸省(現国土交通省)が、まず身体障害者への割引を求める通知を出した。そのすぐ後に知的障害者も対象に。運転手が身体障害者手帳や療育手帳を確認し、事業者側の負担で1割引きにしている。

 だが、精神障害者への適用は遅れ、2006年になって厚生労働省が国交省に協力依頼を出した。行政評価局は、こうした精神障害者への取り組みの遅れが現状に影響しているとみている。

 宮城県精神障がい者家族連合会(仙台市)の笠神勝男会長は「家族も高齢化で運転しづらくなり、通院にタクシーを使う機会も増えている。他の障害と平等に扱い、精神障害者の外出を後押ししてほしい」と訴える。

 国交省は18年11月、改めて事業者の協力を求める通達を出した。東北運輸局の担当者は「今後、精神障害者への適用拡大を働きかける」。県タクシー協会の千葉美記専務理事は「協会内で検討したい」と話した。(井上充昌)