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 目や耳が不自由な人が映画館で楽しめるよう音声や字幕のガイドをつけた「バリアフリー映画」の試写会が3月31日、佐賀市松原2丁目のシアター・シエマであった。これに向けた「みないろ会」の募金には約130万円が寄せられ、録音機材を購入。自分たちで音声ガイドをつけて初めて上映し、支援者や会のメンバーら約60人が参加した。

 みないろ会は「みんなでいろんな映画を見たいからバリアフリー映画をつくる会」の略。昨年4月に佐賀県視覚障害者団体連合会長の森きみ子さん(64)らでつくった。誰もが楽しめるようつけるガイドとは、例えば出演者を「黒のパーカに黒いズボン、白いヘルメットをかぶった若い男性」と説明する音声などにあたる。

 上映作品は47分間のドキュメンタリー「ひいくんのあるく町」(青柳拓監督)。監督の故郷の山梨県で暮らす、障害がある男性の日常を中心に描いている。耳の不自由な人向けに字幕が入っており、みないろ会で音声ガイドをつけた。

 必要な資機材を買うために募金活動をしたところ、今年1月までに目標100万円に対して128万3673円が集まった。目の不自由な人の意見も聞きながら、約3カ月かけて台本をつくり、音声ガイドを吹き込んだ。台本づくりをした1人は「監督の言いたいことを、分量の制限のある文字にすることが大変だった」と話す。

 試写会はシエマ内のカフェであった。映画館で上映する際は、音声ガイドは必要な人にイヤホンを通じて聴こえるようにするが、今回は特別にスピーカーで会場に流した。音声ガイドに違和感はなく、上映が終わると大きな拍手が起きた。

 上映後の意見交換では、目の不自由な男性が「手が加えられることで、かなりわかりやすくなったのでは。苦労がしのばれる。視覚障害者の場合、できるだけ色々な音声情報が入っていた方が理解しやすい部分はある」などと話した。

 みないろ会では、試写での意見を元に音声ガイドを完成させ、一般向けの上映会を5月中旬から6月中旬に開く予定。また来年3月までに長編映画を選び、音声ガイドと字幕制作をするという。(秦忠弘)