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 「まず1勝」。その言葉を繰り返し、習志野は第91回選抜高校野球大会で決勝まで駆け上がった。3投手の継投と堅守、粘り強い打撃で何度も逆転勝ちし、千葉に24年ぶりの選抜準優勝をもたらした。最後まであきらめずに次々と実力校を破る姿は、多くの球児を勇気づけた。

 初戦の日章学園(宮崎)戦では、一回に打者一巡の猛攻で7得点し快勝。夏の甲子園を2度制した伝統校・習志野の復活を全国に印象づけた。

 最初の難関が、大会ナンバーワン投手とも評された奥川恭伸(やすのぶ)君(3年)を擁する星稜(石川)との2回戦だった。打線は序盤、奥川君の速球に圧倒されていた。しかし中盤から、バットを短く持つ打法が奏功して打線がつながりはじめ、七回に勝ち越し。九回には兼子将太朗君(同)がチーム初の本塁打を放ちリードを広げた。

 これが「逆転の習志野」の始まりだった。準々決勝の市和歌山戦では中盤から小刻みに加点して七回に勝ち越し。準決勝の明豊(大分)戦では重盗など機動力も駆使した攻撃で、突き放した。準決勝までの4試合中3試合で逆転勝ちという展開で、試合巧者ぶりを見せつけた。

 星稜戦では、「ダブル主将」の1人、根本翔吾君(3年)が右足に死球を受けてけがをする不運もあった。根本君は市和歌山戦を欠場。もう1人の主将、竹縄俊希君(同)らは「根本をもう一度甲子園の舞台に立たせたい」と奮起し、チームが一丸となった。

 3投手による継投策も奏功した。変化球で打たせて取るのがうまい山内翔太君(2年)と下手投げの岩沢知幸君(3年)が先発した後、本格派右腕のエース飯塚脩人君(同)が登板するパターンで何度もピンチを乗り切った。飯塚君は大会中、球速が3キロ伸びて最速148キロを記録。打撃でも存在感を見せた。

 持ち前の粘り強さや機動力を発揮できなかったのが決勝の東邦(愛知)戦だった。相手エースの石川昂弥君(3年)を攻略できず、犠打やヒットエンドランに失敗。走者を二塁まで進めることができず、完封負けを喫した。

 それでも、初の準優勝。「経験値の低さ」(小林徹監督)が秋からの課題だったが、今大会を通して、どこの学校よりも経験を積んだはずだ。めざす次の舞台は、夏の甲子園。まずは夏の千葉大会で一回り成長した姿を見せてほしい。(松山紫乃)

選手ら帰還 夏へ決意

 第91回選抜高校野球大会で準優勝した習志野の選手たちが4日、千葉に戻り、習志野市の野球部グラウンドに集まった。小西薫校長(56)らに結果を報告し、夏への決意を新たにした。

 「ダブル主将」の1人、竹縄俊希君(3年)は「たくさんの人の声援で、ここまでこられたことに感謝します。準優勝は満足いく結果ではないので、夏に向けて新たに頑張ります」と意気込んだ。

 もう1人の主将、根本翔吾君(同)は取材に、けがで準々決勝に出場できなかったことを振り返り、「ベンチで声を出していて、多くのサポートがあってチームが一丸になっていると改めて感じた」と語った。「いま一番やりたいこと」という問いに竹縄君が「練習」と答えると、根本君が「やっぱり少し休みたいです」と互いに笑いながら話す一幕もあった。

習志野の第91回選抜高校野球大会での戦績

※準優勝

1回戦  ○8―2 日章学園(宮崎)

2回戦  ○3―1 星稜(石川)

準々決勝 ○4―3 市和歌山(和歌山)

準決勝  ○6―4 明豊(大分)

決勝   ●0―6 東邦(愛知)

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