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 新元号「令和」が発表された1日、テレビ局は特番や情報番組などで長時間を割き、新聞社も号外や翌日朝刊で大きく報じた。過熱する報道の背景と課題を考える。

 テレビ東京を除く在京キー局とNHKは1日朝から情報番組やワイドショーなどで新元号の話題一色となった。発表時刻までタレントが新元号の予想を語り合ったり、AI(人工知能)の予想を紹介したりした。

 「新しい元号は令和であります」。午前11時41分に菅義偉官房長官が発表した瞬間はテレ東も含む全キー局が生中継で放送。その後も多くの局がワイドショーや特番などで、発表の瞬間を大型ビジョンで見つめる人や、入浴施設で風呂につかりながら見る人など、列島各地の熱狂ぶりを紹介した。

 ビデオリサーチによると、テレビを見ている世帯の割合を示すHUT(総世帯視聴率)は、新元号が発表された午前11時台が42・1%で、前の4週間の平均と比べて19ポイント高かった。午後0時台も42・7%で前4週平均より9ポイント高かった。

 全国紙はいずれも2日付朝刊の1面トップで報道。「令和」の巨大な見出しが躍った。地方版を除く関連記事は読売新聞が15ページ、毎日新聞が12ページ、朝日新聞は11ページ、産経新聞は10ページ、日本経済新聞が9ページと各紙が紙幅を大きく割いた。

 社説では、読売は「おおらかな情緒を感じさせる2字ではないか」と新元号を称賛し、「新天皇の即位と新元号の施行は、国民の心の持ちように一定の影響を及ぼすに違いない」と述べた。産経は「元号は、本質的に『天皇の元号』である」とし、「将来は制度を改め、閣議決定した元号を新天皇が詔書で公布されるようにしてもらいたい」と主張。一方、毎日は「保守的な安倍カラーのにじみ出る選考だったのだろう」と指摘した上で、「新しい元号に意味づけをしていくのは、あくまで国民である」と釘を刺した。朝日も「元号への向き合い方は人それぞれである」。日経は「情報公開も重要だ」と指摘した(いずれも東京本社最終版)。

 新聞各紙は号外も発行。読売は約103万部、朝日が約20万部、産経が約9千部。毎日新聞は取材に部数を回答しなかった。日経は発行しなかった。

 東京や大阪の主要駅周辺では、号外の激しい奪い合いも起きた。SNSには若者たちが号外と共に写った写真を次々に投稿。また「メルカリ」などネット上のフリーマーケットやオークションサイトには号外が出品され、千円以上で取引されたものもあった。

 「平成」発表時とは対照的なフィーバー。「天皇制と民主主義の昭和史」の著書がある河西秀哉・名古屋大大学院准教授(歴史学)は「自粛や崩御を経た平成への改元と比べ、今回は天皇崩御が伴わない。ネットで予想が飛び交うなど社会全体に明るい雰囲気があった」と指摘する。その上で「平成時代は大災害や不況、社会の分断が目立ったから、改元ですべてがリセットされ、大きく変わって欲しいという期待感が世間とメディアにはあったのでは」と読み解く。

■「騒ぎに乗っかった」…

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