【いきもの目線】フウセンウオ@新江ノ島水族館=2019年3月18日、竹谷俊之撮影
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 風船のように丸っこく、クリッとした目が特徴のフウセンウオ。

 日本海やオホーツク海などの冷たい海に生息し、「北の海のアイドル」として人気がある。3世代で繁殖に成功した新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)の協力で、水温約6度の水槽に360度カメラを設置した。

 フウセンウオはダンゴウオの仲間。体長は大きなもので10センチ以上になる。海藻や岩肌などにくっついてほとんど動かない。体の色はだいだい、黄、茶、赤、白などカラフルだ。

 目をひくのは、別の小さなケースで展示されている黄色の赤ちゃんたちだ。昨夏に生まれ、約5ミリだった体長が今は約2センチになった。ぽかんと開けた口に、つぶらな瞳がキョロキョロ。たまに目が合ったようにも見え、来館者を楽しませている。

【動画】フウセンウオのメイキング動画=竹谷俊之撮影

 「餌をあげると風船が浮き上がるように泳ぎ出しますよ」と学芸員の杉村誠さん。餌のオキアミがまかれると静かな水槽が一変する。フウセンウオたちが一斉に“離陸”してにぎやかな水槽になった。杉村さんによると、泳ぎは苦手だが吸盤状の腹びれの吸着力は強力で、水槽やバケツにくっ付くと離れなくなる。展示水槽の移動は一苦労だという。

 フウセンウオは肉食で、甲殻類や軟体動物を捕食する。オスは大きな貝殻などに入り、メスを招き入れるための産卵床をつくる。メスが産卵したあとは孵化(ふか)するまでオスが卵を守る習性があるという。(竹谷俊之)