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 愛知県の装具業者が「治療用装具」を装った靴を販売した公的医療保険の不正請求問題で、健康保険組合連合会(健保連)は4日、業者側の記録に基づき、不正請求は2007~14年の8年間で1642件、約1億1700万円だったと発表した。このうち昨年11月末時点で被害が特定できたのは、企業の健康保険組合など145保険者の1136件、約6400万円。業者は特定できた分の9割を、すでに返還したという。

 この業者は同県小牧市の松本義肢製作所。市販の靴に加工をして靴型装具と装い、患者に数万円で販売。保険対象は1足分だけなので、2足販売したのに領収書には1足分として2足分の代金を記載。患者は領収書などを添えて、保険者に費用の支払いを請求していた。同製作所は朝日新聞の取材に対し、「室内用と室外用で2足必要になる。保険が適用されるように短絡的に(2足分の代金を領収書に1足分と記載する不正を)やってしまった」と話した。

 健保連は「今回の問題は氷山の一角」と指摘。厚生労働省による業者への指導監査の導入や、保険請求に必要な医師の装具確認と証明書発行の厳格化など再発防止策の強化を同省に求める方針だ。(西村圭史)