[PR]

 メガネをかけた珍しい体操選手が米国にいる。女子のモーガン・ハード(17)。7日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた個人総合ワールドカップ東京大会を制するなど、2020年東京五輪でもメダルの有力候補の一人だ。それにしても、なぜメガネなのか――。

 圧巻の高さだった。2位で迎えた最終種目のゆか。モーガンはH難度の「シリバス」を悠々と決めた。日本では村上茉愛(日体大ク)が得意とする高難度の技だ。13・633点を獲得し、逆転。2017年世界選手権で個人総合を制した実力を見せつけた。

 「良い感じでもなかったけど、自信を持ってできたのはよかった」。試合後はクールに語った。

 黒いフレームのメガネがトレードマークだ。小さい頃から視力が悪かった。6歳から体操を始め、10歳からは競技中もメガネをかけるようになった。

「コンタクトは不快」

 国際大会レベルでメガネの選手は異例だ。コンタクトレンズはつけないのか、という問いには「コンタクトは不快で、メガネが一番いい選択肢。私にとっては普通のことですよ」。フレームにベルトをつけて頭に固定するため、演技中にメガネがずれたり、器具にぶつけて傷つくことも一切なかった。

 中国で生まれ、生後9カ月で米国人の養子になり、11カ月で米国に渡った。出自については本人も「よく分からない」。米国人の母親にジムに連れていってもらったことがきっかけで体操を始めると、メキメキと力をつけた。まだ17歳だが、米国では2016年リオデジャネイロ五輪で4冠を達成したシモーン・バイルスに次ぐ存在だ。

 来日するのは今回が初めて。来年に控える東京五輪へ向けては「まずはそこに出るのが目標」と話し、「お寿司が食べたい」とにっこり笑った。(山口史朗