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 7日に投開票された北海道知事選は、与党系の前夕張市長の鈴木直道氏(38)が野党統一候補の元衆院議員の石川知裕氏(45)を65万7229票(25・42ポイント)の大差で破って初当選した。朝日新聞社がおこなった出口調査からは、鈴木氏の勝ちっぷりと、ある弱点が見えてくる。

 今回の知事選は、4期16年つとめた現職の高橋はるみ知事(65)が参院選への転出を決め、16年ぶりに新知事が誕生する新顔一騎打ちの選挙だった。全国の11知事選で唯一、与野党が真っ向からぶつかる構図となり、激戦が予想された。

 しかし、ふたを開けてみると鈴木氏の大勝だった。前回2015年知事選では高橋氏と、野党が支援した候補との差は約35万票。北海道は「民主王国」とも言われるほど野党勢力が強かったが、今回の知事選では大きく差を広げられた。

 出口調査は7日、道内120カ所で実施し6305人から有効回答を得た。その結果を見ると、鈴木氏への幅広い支持がわかる。

 鈴木氏は推薦を受けた自民と公明それぞれの支持層から8割超の支持を得たほか、無党派層からも6割近くの支持を集めた。さらに立憲民主支持層の17%、共産支持層の24%からも支持を得て、野党にも食い込んだ。

 女性の支持は64%で、男性と比べ高かった。加えて、投票のときに一番重視したことを「人柄や印象」と答えた人の75%、「経歴や実績」と答えた人の70%から支持を集めた。全国最年少知事となる38歳の若さ、財政破綻(はたん)した夕張市のトップとして再建に道筋をつけた実績が奏功したようだ。

 ただ、鈴木氏の弱点も垣間見える。投票のときに一番重視したことの中で、もっとも多い回答は「政策や公約」だった。この回答の層では鈴木氏支持が49%、石川氏支持が51%となり、鈴木氏は伸び悩んだ。

 「鉄路維持」「カジノ反対」「脱原発」といった石川氏の明確な主張に対し、鈴木氏は「道民目線」という理念を訴えた。政策を期待する人たちは鈴木氏にやや厳しい目を向けたようだ。

 とはいえ、石川氏が態度を鮮明にし、争点化した政策が、票に結びついたとは言えない。投票したときに重視した政策順に見ると、鈴木氏は「人口減少対策」で70%、「JR北海道の路線見直し」で64%、「泊原発再稼働」で45%、「カジノを含む統合型リゾート誘致」で50%の支持を集めた。(伊沢健司)