[PR]

 7日に投開票された県議選(定数102)は、自民が57議席を獲得して過半数を維持した。立憲民主、国民民主、無所属に分かれて戦った旧民進系は堅調で、公明も議席を維持した一方、共産は議席を失った。夏の参院選の前哨戦の意味合いもある県議選の戦いぶりを振り返る。

 5党の公認・推薦を含む8人による激戦となった一宮市(定数5)では、8選を目指した無所属の岩村進次氏(64)が落選した。海部俊樹元首相の秘書出身で、県議会議長などを歴任。「重鎮」の敗北に、県政界に驚きが広がった。

 岩村氏は昨年、秘書への暴行が発覚して自民を離党。選挙戦では反省の言葉を述べ、後援会組織を固めて系列市議などの応援を得る「守りの選挙」を展開。県予算の獲得など、ベテランとしての「実績」を強調したが、支持が広がらなかった。

 保守票の奪い合いも響いた。自民は3人を公認し、国会議員も応援に入るなど組織戦を展開した。候補者の一人は、こうした情勢下でも「岩村さんの当選は織り込み済みと考えていた」といい、落選について「(投票箱の)ふたが閉まるまで分からないというが、まさにこれだ」と話した。

 岩村氏は朝日新聞の取材に「(暴行問題を)払拭(ふっしょく)できなかった。捲土(けんど)重来は考えていない。28年間県議を務めてきて悔いはない」と引退する考えを示した。(荻野好弘、岩尾真宏)

 自民現職の青山省三氏(67)と立憲新顔の上田大氏(46)の一騎打ちとなった尾張旭市(定数1)。国政の与野党第1党による対決は、青山氏が約6千票差で3選を果たした。

 青山氏は保守系市議の地盤を中心に選挙戦を展開し、「皆さんとともに発展させ、地元のために全力で頑張りたい」と訴えた。2月の同市長選も、保守系が制している。

 一方の上田氏は2月に長久手市議を辞職し、「国替え」で臨んだ。赤松広隆・衆院副議長が選対本部長を務めるなど、国会議員の支援を受けながら支持を訴えたが、「非自民票」の掘り起こしに結びつけることはできなかった。(松永佳伸)

 5人が争った春日井市(定数4)は、自民現職の神戸洋美氏(63)がトップ当選を果たした。前回、議席獲得まであと一歩に迫った共産は、今回も及ばなかった。

 前回、最下位で当選した神戸氏と次点の共産候補の差はわずか463票。神戸氏は「前々回がトップで安心していたかも知れない」と振り返る。県政報告を支援者に直接送る方式に切り替えて地盤固めを図ったほか、女性初の自民党県議団長を務めた経験を踏まえ、「女性が活躍できる社会を」と主張。党女性局長の三原じゅん子参院議員も応援に入った。

 今回4位で当選した自民現職の伊藤勝人氏(73)も、共産候補に前回538票差に迫られた危機感をバネに企業などを回り、こまめに個人演説会を開いた。「1日6会場、後援会組織がない地域でも演説会を設定してもらった」

 一方、共産は市議を9期36年務めた内田謙氏(68)を擁立。県営名古屋空港の軍事利用拡大やリニア中央新幹線の建設に反対を掲げた。小池晃書記局長らが支援したが、前回よりも差を広げられる結果となった。(本間久志)